新春放談クロニクル 2006



  




2006

10年前です。
10年前に30年前の話を主にしてます。
この対談を踏まえて、大瀧さん亡き後の達郎さん自身の
『ソングス』40thの回顧があった、と思います。


05年12月『ソングス』30th
達:トライアングルは3.21
詠:まだやってない
達:幸せにさよなら、僕のヴァージョン入れます?
詠:あなたのは『タツローフロムナイアガラ』にとっといた方がいい
んじゃない
達:あれもやるんですか
詠:やりましょうよ
79年でしょ30周年だったら89年、あ2009年に予定しております

90年代だったのか00年代なのか、分かんなくなることわたしもあります。
mixiの最初期の書き込みを読むことで、この年末から3月までの
回想ができます。

達:すごくハガキが来てんのはレッツオンドアゲンとか多羅尾伴内
とかどうすんですか
詠:多羅尾は2イン1にします。単発で出すようなもんじゃない
達:今年はトライアングル終わったらゴーゴーナイアガラでしょ
詠:秋にしようと思って、間に合わなくて
いまスタジオの改装をやってるもんですからね
ようやくぜんぶ引っ越しも終えて
達:また建てられるんですか、防音のあれは
詠:建てるってほどもんでもないです。ただの倉庫です
達:前のやつって板のあれで元祖パワーステーションみたいな
世界じゃない
詠:懐かしかったですけどね、壊してたら出てきましたね

もう一度、福生に行ってきました(16.1.20)
コロムビアに移籍発表したのが40年前の1.19ですね。16trレコー
ダーはいつ買えたんでしょうか。

「大瀧詠一的12」では「01年から話を始めて着工が07」と話してます。
07年、竣工、ってことじゃないでしょうか。
旧米軍ハウスの建物の間近に新築し、引っ越して、元のハウスは
取り壊した、と考えてます。

○すてきなメロディー
達:あそこでサンパチでソニーの 板の後のオフマイクで
2人でやってるから回り込みがもろ板のあの音になってる
詠:ピアノが福生スタジオのアップライトの
達:ナイアガラームーン(といっしょ)の



LFデモ 8トラックだった
詠:マルチは牧村さんが持ってました。
達:なんで?
詠:今度会った時にお話ししますってそのままに

牧村氏の発言は最近メディアによく出るので、すでに公になってる
のかな。

詠:(LF)マルチがどこに行ったかわからないってことになってた
4chだと思ってた(8ch)ブツの確認はしてた、(開けてないが)
箱の
達:本物の16trのマスターもひところ紛失したって?
詠:一回無くなったっていう噂があって、今はナイアガラエンター
プライズで保管してあります
30周年が終わってまた山下君のリミックスが40年目にあっても
いいんじゃないかな
達:リミックス嫌いなんですよ
誰が何と言おうとこのオリジナルマスターが唯一でね、これじゃ
ないと『ソングス』じゃない
詠:エンジニアの笛吹銅次を使ってくれたのは山下君と大森さん
だけなんです
まきまきカールと電リク75

他に、布谷とはつみつぱいがあることは前回書いてしまいました。

達:2000トンの雨の元 マスターが紛失してるんです
詠:電リク80まで録ったんだけど78年ぐらいで終わったんだよね
あのターボーの「電リクはーちーじゅうー」ってよかったですね

電リク75の音源は天地真理のがYouTubeに上がってますが、
ジングル部分はないですね。

達:このころ僕もコーラスのスタジオミュージシャンけっこうやって
たんですよね
詠:9.21より前にやってました?
達:これ74年だから9.21の後ですよ
詠:73年か俺が言ってんのは
達:レコーディングが始まったのが74年の秋口、LFデモが4月じゃ
ないですか
その間の夏ぐらいにはけっこうスタジオで仕事してたから
歌謡曲でもロックでもなんでも、ヨンナナかなんかで無指向で
ぐるっと囲んでやるもんだと行ったら、みんなノイマンが単一指向
でへたすると一人に1本でそういうマイキングされる
AKGのマイク4本立ってて4人コーラス別々に録られる、リミッター
が全部別だから位相が妙に変じゃないですか
ハモらないんですよ音像が違うから
それだったら1本のマイクでくるっと回ってやったほうじゃいい
んじゃないですか、て言うと余計なこと言うんじゃない。スタジオ
ミュージシャンフゼイがマイクがどーたらこーたら言うんじゃない
詠:怒られたの?
達:大瀧さんは、吉野さんとかアメリカ行ってご覧なったりそういう
ような知識で、やってんだなって思って
最初にココナツホリデイやってる時代からずっとしてたでしょ。そう
いう所って他にない
僕はそんなもんだと思って他のスタジオ行くと全然通用しない
詠:まあね、笛吹銅次はアマチュアですからねえ
達:メジャーなレコード会社の旧態依然のいわゆる歌謡曲のカラ
オケに歌大きく乗っけて歌ハッキリさせようみたいなミキシングで
育って来た人でこういうレコード録ったらやっぱりこういう音は
しない
絶対このオリジナルマスターが一番ロックンロールしてるんですよ

35年聴いてきて、こういうもんだと思ってましたけど、CMサマー
ローションなんかが突然あの時代に流れてくることを想像すると
異端性は理解できます。

達:久しぶりに通して聴いたんだけど、知らなかったこととか・・・
びっくりした
○シュガーの別ミックス
詠:山下君に強力なNGを出されまして
冷たい女のデモヴァージョンがあるんです。ゴーゴーナイアガラで
1回かけたテープはもう無い、ごまのはえが怒鳴ってるのがある
雄々しくやる クワイヤーのような 
ココナツホリデイと流れてきたので、僕としてはその延長線上に
あるのだろう
ダビングの最初だったのでスタジオが寒いから景気づけに騒がせ
よう
それでいいのかなって思ってたら
「僕はギャーギャーいうのはヤなんだ、こっそりやりたいんだ」
なるほどそうなのかと差し替えてああなった

なるほど共同プロデュースということで対等なんですね。

達:今聴くとOKで入ってるテイクのほうが過激のような気がするん
ですけど
詠:途中で止めてギターのフレーズが変になってるでしょ
誰かが止めたんですよ、アアーってすぐにもう1回recを押して戻し
たらああなった、たまたま
今にして思うとああ言いながら山下君のOKがよく出たもんだな
達:よく憶えてますよ、大瀧さんこれ面白いつったの
まさかクレームが出るとは、針飛びだってすごい出たの
詠:出たの?それが効果だもの、意図だもん
達:今だったら制作者の意図です、とか書かなきゃなんないんで
しょ、しゃれも分からない
詠:ほんとにヤだ、早く辞めてよかった、あー時代が悪い!
楽にやってたよ、どうせ聴いたってさ何百万人聴くわけじゃない
んだから、これぐらいでガタガタ言うんじゃない、よ
とも、思いもしなかったよ。面白いって言っただけだもんね
○ユルシテーナ
たまたまフッとソロを押したらあすこだったんだよ、布谷さんが
言ってるって知らないんだよ
これで録れるのかって言ったら、辻さんが「それでは録音はでき
ません」て自分でタイミング憶えてテンポ憶えてスッと
達:辻さんがパッチしてああなるようにして、押すと「ユルシテ
ーナ」だけ残るからって

○ためいきばかり
達:何がすごかったってブラスが入ってる、憶えてない
詠:ブラスがでかいってNG出されてリミックスしたんですよ
達:村松君がブラス入れたいって言ってたの憶えてる
詠:あなたアレンジしたじゃないの
今にして思えばあのホーンじゃ歌聴こえないからね

http://www.110107.com/mob/news/diarKiji.php?site=OTONANO&cd=radio&ct=
popfilereturns

銀次さん、村松さんが回顧の対談してましたね。

達:ほんとは幻のカズー
詠:分数が目いっぱいで入んなかった

09年にデジタルでコピペされまして、15年に達郎が復元リミックス
しました。

宮城県民会館76.1.28
トロピカルムーン 細野さんとジョイントで

仙台電力ホールのことですね。シュガーベイブのセットは40thで
ボーナストラックに入りました。

達:茂が風邪でハックルバックが出られなくなってシュガーベイブ
が代わりに4曲やった
リスナーの人が送って来てくれて
トライアングルのレコーディングの終わった頃で正月のところで
○三文ソング
○論寒牛男 風に吹かれてやって来た仙台
リードギター村松邦男!
詠:遅咲きのロックンローラーですね27じゃ

○R&Rマーチ
ドラムス上原裕!
「疲れた」
詠:仙台とか必ず入れるんだよね、博多行くと博多入れるしね
達:坂本君まじめに弾いてたね
詠:ブレークでピアノが出てくるとなんか可笑しくて
ターボーの「ごーごー」って気のない
達:だいたい拷問なんだよどんどん上がってく
詠:ミュージカルボーイズのネタなんだ、ずっと上げてけばよかった
達:途中で止まって「もうできねえよ」そこまで余裕がなかった
詠:コミックバンド的なものを考えてたから僕の場合はね
達:このあとね、お先にどうぞ、かまやつさんのどうにかなるさを
頭で振って
時の過ぎゆくままにを一節やって、あの娘に御用心に
詠:よくやってました。そういうエンターテイメント的なことはね、
やってたけど
27は遅咲き・・・
達:こっからクルーナー路線に行くのにたった4年ぐらいしかない
ですから
良い感じですよ、ナイアガラムーン然としてる
詠:みんなといっしょだったって高揚感じゃないですか
山下君がいて坂本君がいてターボーもいて村松君もいてね、
だからじゃないですかこういうことができたのは

「売れてないわりに忙しくて」ってゴーゴーナイアガラでは疲れた
声を出してます。

達:この時から何日後に解散だ、って。これが解散だっていう話を
する前の最後のライヴだった
この時はまだそんなに切迫感ぜんぜんないから

で、年内に『サーカスタウン』出すんですから、この年の激動は
すごいですよね。

達:なんか突然そういうことになるじゃないですか、ああいうのって
はっぴいえんどの時だって、今から考えてみるとどこのモーメント
だってはっきり言えないようなところあるでしょ
詠:僕が解散の原因だってことになってますから
72年の10月にアメリカ録音したアルバムが出てんのが73年なの

その前にソロアルバムが出たことになってしまったのが誤解を
生む一番のポイントなんじゃないでしょうか
録音した日にちは憶えてるけどいつ出たのかって、ないんだよね
売れないもんだろうって前提があったから
達:このあいだレココレでシュガーベイブの特集をやってもらって、
森さんとか書いてること読んで、聴いてる人がそういう聴き方して
るなんて夢にも思わないし
あとからたくさん出てきてねあのとき聴いてたんだ・・・その時
言ってくれよ
買って聴いてる人のあれなんて伝わってこないから、しょうがないですね

HEYTAKさんとペットサウンズレコードに行った時、森さんから
「どういうものがお好きで?」と聞かれて「大瀧さんと達郎・・・さん」
とsnsで書くようについ敬称略で言っちゃいました。

詠:当時はね。書いてくれる人も少なくてね
はっぴいえんどの1枚目、東郷かおる子さんしか書いてくれな
かったんじゃないかな
「こういうグループにありがちな暗さが・・・」いまだに忘れないんだ
からね
達:そういうことだけ忘れないですね
文字に書かれたものって書く人の本意でもなかったりするじゃないですか
こっちが勝手に受け止める
その人は、今月の1枚みたいなルーティーンの中の一つだったり
するんだ
詠:それ分かるのにずいぶん掛かったですけどね

音楽評論って長いこと読んでないですね。復刻音源をコンパイル
する人とかしか思い出せない。


2週目
今日はなんだか
達:出来不出来がわりと激しい・・・と思います
これが一番出来が自分の中で悪い
詠:うまくいかなくて一番ミックスしたよ
達:この曲をこのアレンジで具体的に演奏する段取り、
この曲が一番インタープレイがある程度必要な。どうやっていいか
まだ分かってない
詠:少しバラバラ感があったのでミックスしづらかった
シングルで切りたいって意向も言われていたんだけどうまくミック
スできなくて
達:ダブル・ヴォーカルなんかしなきゃいいのにしちゃったり

「LOVE SPACE」「SPARKLE」とかの原点のような。このタイプの曲
があることでアルバムの濃度や密度が上がってるはずです。

達:面白いことに1曲1曲メンバーが違う、ドラマーがユカリと野口と
2人いるんだけど。大瀧さんのミックスがね、ボトムの出し方が
明らかに違ってそれがすごく面白かった
詠:それがダウンタウンの場合は妙な浮遊感が出てよかった
野口君の場合は上げてもあんまり出て来ないから中音をやるしかない
あれがユカリでキックが強いとああいうふうにならなかったと思う
不思議にねえ真ん中をふくらませるっていうことになった
達:逆にライヴじゃあんな感じになんない
詠:ダウンタウンは曲を理解してできたんじゃないかと、山下プロ
デューサーから褒められましたから
達:大瀧さんて意外とR&Rというよりはリズム&ブルースなんだ
ガツッとサザンなんです香りが 僕それが好きなんだ
詠:のぺっていうふうにうまくできない配置が やっぱりエルヴィス
なんじゃないですか
スタジオも良くなかったのと機材も不備だったところがまた良かった
達:今から考えるとサンスタジオって言われるとその通りだ
詠:サム・フィリップスだったんだなと後で思いましたね

これは前前年04年に話してます。

達:これが昔の東芝とかコロムビアとかソフィスティケートされた
環境で
詠:エキスプレスの普通のカレッジバンドみたいな感じになってた
達:きっとなってたですよ 80年くらいにはそう思ってました
六本木ソニーの当時のスタジオのneveの機材でそれがうまいこと
アーシーなところとソフィスティケートしたところとうまくミックス
された
詠:録りがエレック、ダビングが福生で、ミックスがソニーっていう
テレコが全部違う、そういう妙な物になったんじゃないでしょうか
普通は同じテレコじゃなきゃってやるんだけどそんな時代じゃない
ですから
達:デモも大瀧さんのミックス。テイストが全部同じ、不思議な統一
感出してますよね

40thのライナーによると「すてきなメロディー」だけが福生のようです。

達:大瀧さんのマスタリングは元のアナログに近い
詠:元のアナログをできるだけそのまんまに再現した
1630のスルー
達:EQとかしないの、デジコンもしないの?
詠:ノーEQです
達:だとするとADとか今のアナログの再生の環境がすごく良くなってきてる
詠:デジタルはいじるとキリがない
その代わり1ヶ月間毎日やる、デジタル起こしを
100個作るでしょ、100個違う、その中で一番良いなあという物を
選ぶ
1時間おきに録る、何時がいいのか、11時半が良い夜中の。昼間
なら午後3時
オーディオマニアも同じこと言ってたよ、みんなが電気を使わなく
なる時間ですよ
電源はとりあえずちょっとした物
達:そういうところはあるでしょ、ケーブルとか引き回さないとか

10年後の福生の午後3時はけっこう騒々しかったですよ。大雪の
翌日だったから?

詠:今のやり方を僕は陶芸に例えてます。あれはどういう物が
焼けてくるか分かんないでしょ
達:くせのない良い音、僕はすごく好きですよ
詠:そうですか、これは非常にありがたい
達:いわゆるレコーディングエンジニアがマスタリングエンジニアに
なって行く、そういう感じになってますね
詠:やっぱりエンジニアリングをやりたかったんでしょうね、あの
ころ自分としては一介のミュージシャンが何の学校の教育も受け
てなくて、そういうことやるってのは前例もないし
達:でもまさに今はホームレコーディングの時代、プロのエンジニ
アが想像もつかないようなノウハウを、今までまったくあり得ない
ようなことをやってレコード作ってることに呼応してる、そういうこと
に期せずしてなって来ましたね
詠:トライアングルは自宅の仮設のスタジオを、いま部屋を作って
やってますけど

マスターテープを100回まわしてA→Dですか・・・

達:あれはリズムはぜんぶ福生で録ったんですよね
トライアングルのレコーディングのとき電車のストでまる1週間
閉じ込められて

「スト権スト」

その時に大瀧さんのレコードライブラリーを好きなだけ聴けって
聴かせてもらったんです。生まれて初めて
詠:いかにも前に聴かせてなかったっていつも言うけど
達:それは先輩だから遠慮してたんです。僕はそんなに図々しく
ありませんよ、聴かしてくださいって言うのがね
僕より5つも上の御大なんですから、なかなか言えないですよ
シャイなんですよ僕だって、大瀧さんに負けず劣らず お互いに
一人っ子ですからね

75年年内に山下サイドのレコーディングは終わってるようです。
この時期のゴーゴーナイアガラでは達郎さんのことを「山下、
山下」と呼んで弟分のように接してることが分かります。

詠:しかし音楽の話でよく持ったよね
達:音楽以外の話をしたことないと思いますよ
60’sっていうものを日常的に話して通じる相手がほとんど当時は
いなかったじゃないですか
ミュージシャンだってそういう興味もないし、あっても僕らの興味と
全然違ってたり
詠:我々は論じ合うのではなくて、バカ話をする。そういえばああ
いうのもあった、で話をふくらませて行くのがナイアガラ流なので
茶々を入れていちばん熱くなるのが山下君だったよ、銀次と2人
でね
水かけると本気になって、これが面白かったですよ
達:真面目な人間なんですよ、挑発に乗りやすいというかね、すいませんね

当時、深夜まで付き合わなかったメンツ、坂本教授とか井上鑑
氏、ベースの吉田健さん・・・彼らも大瀧さんの話をもっと聞いて
おきたかった、と思ってるんじゃないでしょうか。

達:大瀧さんの場合なるべく人の着目しない所に着目して、それを
自分で選んでやってるのか、意図的にどれくらいやってんのか分
からないんだけど
結果的にそうなって行く、重要なベクトルがあるんですよ、いつの
時代にも
それを称してご自分でナイアガラ的だという
そういう選択の根拠ってなんなんですか?
詠:行き当たりばったり、ですよ
行き当たった人とばったり会うんですよ
みんなマイナスに捉えてるけどこれはすごい言葉だと思いますよ
全部自分の人生それのような気がしてました

「鴛鴦歌合戦」っていう映画の解説を書かせてもらったんですよ
マキノ正博書くなんてね、ヴェンチャーズのコピーをキャラバン
から始めるようなもんですよ
僕の映画解説デビュー作なんですよ。タイトルが
「人の縁と時の運(時の縁と人の運)」
それは行き当たりばったりと言い換えてもいいんです、どうでしょう

https://www.youtube.com/watch?v=GGQIzCN22tk
旭、裕次郎の日活のアクションと流行歌の原点。という要旨でした。

達:人間の人生って甚だ不思議なことにほとんど人の縁、運が7割でしょ
夢は必ず叶うとか・・・そう簡単には行かないんじゃねえか
詠:縁と運は同じ。良縁と悪縁、幸運と悪運とあるからね
ほとんど簡単には行かないから現実はこうなってる
達:引きの強さ弱さ個人でこうも違うか、それが5年10年20年
経つうちにどうしようもない落差を生む
詠:縁は運だし、運は縁だと思う。ただそれをつかめるかどうかの
問題はあるんだけどね、
誰にでも来ている、人生に3回大きなチャンスは誰にでもあると
いうのが僕の持論ですから。その時に掴むか掴まないか、って
いうことなんじゃないですか。無かったっていうことはないと思い
ますよ
達:勝負の時に結果出せるか出せないか
詠:縁とか言ってもやっぱり出会いなんですよ、出会いはね、
出合い頭でばったりなのよ

福生歩いてるときは家族に乾杯の鶴瓶師匠のような平常心を
心がけました。庭先から奥さんが出てくるんじゃないか、と思う
「邪念」が出るとだめですね。

達:そういうとこ妙に前向きですよね
詠:長嶋型ですから、とにかく前向きですよ。オープンですよ、
つねに戸は開いてますよ
いくつもあるんじゃないかって。それ行けスマートかお前はって
よく言われるんですけど

https://www.youtube.com/watch?v=sWEvp217Tzw&index=7&list=
PL8v2llFgVhyDJn37yWz6fsfoTGhApnZyi


詠:今たまたま三木鶏郎さんのあれをやってて、糸井さんと対談
したりしてんですよ

ちょうど1月にアップされてるんですね。

詠:糸井さんに毎日何してるんですかって「映画観るのに忙しい
よ、1日3本は観なきゃいけないし」

06年12月から三吉橋の音響ハウスで『CMスペシャル』のリマスタ
リングに通って、京橋公園に行き当たるんですね。一年後です。

達:そういうことが博物学的な好奇心なので有機的に前の好奇心
が次の好奇心に移って行くけど、捨てずに蓄積になるじゃない
ですか
ほんとに大瀧さんはあの時代、音楽でたまたま行っちゃったから
音楽家だって言われてるけど
僕なんか音楽でしか生きらんないから
詠:あなたはだってこれをやるために生まれてきたんだから。歌う
なって言われても歌うんだから
寝床の隠居だよ 円鏡ヴァージョンのストロー

達郎ヴァージョンは拡声器だ。

詠:カラオケ屋行っても、よせばいいのに次のナンバー入ってるし
ね、チェーンスモーカーっていうけどチェーンシンガーだよ
とにかく歌うよ、えんえんなんでも歌うんだから
達:それくらのあるばーとにむかって、あれと同じ

↑ここ分からなかった。

詠:そういう風に生まれついた人は天命を全うしなければいけ
ないと思う
僕はねなんかね途中から違ったんだなあと思いましたよ
だから簡単にやめられた

「いつアルバム出るんですか」みたいなのはもうなくなったわけです。
76年の1月、30年後にこうなるとは2人とも思ってないんですよね。

○ある乙女の祈り
詠:古田君かかったよ、いま新聞記者なんだよ
ビックリハウスで募集したんだよ、審査員が糸井重里、橋本治

ああいうサブカルの編集者もどうなってしまったんだろう。NHK
マルチスコープの司会でしたよ。

達:糸井さんと30年位前に流行通信で架空のレコード作るって
予算がないから譜面だけ書いてくれって、僕の手書きの譜面が
載った
糸井さんの詞に僕が曲つけて、それレコーディングされてない
でしょ、もちろん
詠:それレコードにしようよ
ちょうだい、プロデュースさせて、いいの?決まった。なんか新しい
ことやんないと
こういう行き当たりばったりが好きなのよ俺は昔っから
そういうんじゃないとやる気が起きないんだ。こういう方ばっかり
選んで行くとこうなるのよ
ユルシテーナとかああいうんでも考えてないのよ

このやり取りはまったく憶えてないですね。軽口かリップサーヴィスか。

達:大瀧さん最初でしょ、最初に見たの親だと思うから、みんな
ミュージシャンてそういうもんだと思ってたわけ
表へ出るでしょ、忌み嫌われるんです
詠:真似したの?あなた僕と全然違う真面目な人じゃん
達:真似したっていうか・・・真似したんですよ、僕がやると嫌がられる
詠:はかた〜てやつ?
達:そうそうそうそう 俺、いいアイディアだと思ったんだけどぉ
詠:そろそろ自分でやる時期なんじゃないですか
自分で演じなくてもいいけどプロデュースというかね、ショータに
歌わせるとか

思い出し笑い、のような、ここ好きです。「チューチューガタゴト'75」
のエンディングですね。春風亭翔太?交友あるんでしょうか。

詠:ひょうきん族のディレクターがソングスとナイアガラムーンを
持ってきて
「ファンでした、やってください!うなずきトリオお願いします」
達:どうしてそういう人ばっかりなんですかね
詠:作品とか行動を見てるんですよ
こういう曲を作る人はこういう人に違いない、と向こうが来たら
答えてあげるようにして行くと広がるんです

「お昼休みはウキウキウォッチング」もその縁じゃないでしょうか。

○楽しい夜更し
達:たのしいーよー僕がベースやってるんです
それでターボーがハモってるんだからちょっとすごいなと今聴くと
詠:それボーナストラックにすりゃよかったね

これは40thでもまだ出ませんでした。
旧知のスタッフにまたスタジオのお掃除してもらいましょー。







ウララカ−インマイルーム