新春放談クロニクル 1988



  




1988

木曜22時NHKFMミュージックシティー
番組内ミニコーナーとして構成されてますので、レギュラーの
前枠あと枠にリクエストがかかります。けっこうおいしいネタ曲
がかかります。
http://www.circustown.net/cgi-bin/ggn/ggn.cgi?CT=Q%3Aonairlist+%90V%8Ft%95%
FA%92k


健:木曜サンスト時代の大家さん
達:店(タナ)を取られてしまいました
詠:山下達郎の逆襲なんだ

社会人一年目のカタギの営業マンでしたが、この番組聞いて
た記憶がないです。

トニー谷
詠:夏にNHKで特集をやらせていただきました時にも話したん
ですけど、ある放送局のレコード室で78回転の
レコードを見つけたのがきっかけクリスマスソングを探そうと
思って
サンタクロースアイム橇

NHKの特番は聴いた記憶あります。レコード室はNHKじゃない
とするとTBSラジオでしょうか。あるいはニッポン放送のマイケル
太閤記のドサクサにでしょうか。

健:いい加減な英語を使ってしゃべるっていうのはトニー谷さん
のおかげで

ゴーゴーナイアガラ前口上のおとっつぁんおっかさんはいつから。
知りたい方は毎週のツイートを聞き逃さないでください。

詠:僕とか山下君の世代ぐらいまで戦後以降、洋楽をベースにして
音楽作ってるでしょ
それ以降の若い人たちは日本の音楽ももう確立されてるから
日本の音楽と洋楽も含めての人たちが最近多い
僕らは洋楽だけを基本に置いてやってる世代の、ちょうど一番
はずれのとこ。出だしはこういう人たちなの

青空を歌ったエノケンと同じ役回りです。

健:ミュージックシティーではまったく日本の歌1曲もかかって
ないですからね
詠:聴いたことない人たちが多い可能性が
健:始めてかかる日本の物がこれがトニー谷だっていう

達:レコード持ってない方のために言っておくと自分で歌ってる
からよくわかるんですけど
洋楽曲を日本語で歌ってるわけでコミックソングとも言えるん
ですけど半分マジでもある
これが録音された時代のポピュラーソングつうのは洋楽の
カヴァーだった
2番の歌詞 see the marketplace
シザマクラデネヨウ
すごく幾重にも錯綜した屈折したギャグの感じ
英語の捻じ曲げとも日本語の捻じ曲げともつかないなんとも

健:ハガキで大瀧さん何してんの
今年はトライアングルvol.3が出るはずだ・・・いっぱい来てる。
どうしてくれる
詠:そういえばそうなんですよね
じつは夕べも考えたんですけどね
達:必ず夕べなんだ、これが
詠:初夢は一富士二鷹三茄子っていうくらいなもんでトライ
アングルだからね、今年はその夢見ましたからね
トライアングルがなんかあの・・・なるといいんじゃないかな・・・
なんかアイディアありませんか?
健:ちっとも具体的じゃない
トライアングル・アゲインていうのもね、ひとつね、こちらに
いらっしゃる方とですね
詠:レッツ・トライアングル・アゲン
この人に聞いてください
達:・・・

レッツ・デビュー・アゲン
レッツゴー・ステディー・アゲン
バッファローのagain
live cafe again
aragain
アゲインって、ベストオールウェイズよりはましなタイトル
かあ。


健:達郎さんもいろいろ今日は持って来ていただいて
紅組代表はトニー谷っていうところから勝負が
詠:あのころはハッ

笑って許して。

達:真面目の山下、不真面目の大瀧であれしますから
アタシ去年いちばんの好きなCDがね
詠:山下さんCD聴くの。この人はね日本のミュージシャンで
最後までCD化に反対してた
そんなアナタ「わが谷は緑なりき」みたいなこと
ローリングストーンクラシックス、彼らがカヴァーしたやつの
オリジナル、素晴らしく良い企画
times on my side
達:こういうのを聴くと大滝さんちへ最初に行った頃の事
思い出す
アーマトーマス、ガーネットミムズ、ジェリーラガボイ、ノーマン
ミード、インペリアルだから
ドラムがアールパーマー、エコーだけ違うけどほとんどフィル
スペクターのプロダクションと同じ
健:フィルスペクターも突飛なことを当時やらかしたわけじゃ
なかった
詠:昔、スペクターとニューオーリンズサウンドとの関係を書い
たら、こじつけだって
言われたことあるんだけど10年位前
健:いわゆる一般的なニューオーリンズサウンドとはそんなに
近くないかなって
詠:これ聴くとスペクターの初期の感じはまるでこうだったから
ミュージシャンいっしょだからね
達:大瀧さんの指摘はまったく正しかったんだよね、音楽社会
学的に

ナッシュヴィルのミュージシャンが共通していた件に気付くのは
まもなく?

達:ロネッツのI wonder の最初のセカンドライン、スペクターの
ハルブレインに対する指示
健:達郎さんやるんでしょ出してくれるんでしょ
詠:最近レコード出さないと思ったらレコード屋さん始めたわけ
達:変なでっかい会社でいいようにやられるよりはあれしてやろう
と思った

この問題も翌年翌々年へ続きます。
http://www4.big.or.jp/~yoxnox/wosj01/vol4.html

達:ジョニーマエストロ マンウェイルでリーバーストラーのプロ
デュース
健:この番組でもソングライターファイルという特集がありまして、
その1回目がバリーマン選ばせていただきまして
詠:日本のディッククラーク
健:まるでゴーゴーナイアガラのようだと言われましたけど

サウンドレコーディングマガジン88.7月号で対談してます。
これが呼び水?

達:今年はトニー谷みたいのまた
詠:トニー谷のアルバムが好評だったのでシングルを切ろうと
思います
メガミックス、来月くらいには出るんじゃないでしょうか、ええ
健:あとは旭さんを期待してるんですけどね、
ヴィデオなんかで歌うマイトガイをまとめるといいな
詠:映画のヴァージョンの歌が良いんですよね、レコードも
さることながら

幸せな結末の、イントロ無しで髪をほどいたから出るヴァージョン
良いんですよね。

健:やっぱりやってくださいよ本人も
詠:まああるといいですけどね
健:大瀧さん、ニューオーリンズに戻るってどう
詠:walkin back to ニューオーリンズ♪ 戻るったって誰も知ら
ないよ
どういう意味なのかまるで
健:最近は大物のカムバックとか叫ばれてる中ですから、ほら
ビルメドレー、ダーティーダンシングのテーマ曲を全米no.1に
詠:松登がまた出て来るとかそういうんですか
達:先場所面白かったですね、近年まれに見る
詠:お相撲がスポーツの中で、文化的に端の方に行ってしま
ったんでしょうか
健:行きつつありますね
達:僕どんなスポーツより相撲が一番好きですけどね
ぴちゃぴちゃ
詠:山下さん今日風邪気味なもんで声の調子がちょっと
健:キャラメル舐めてる
達:何の話してたんですか
詠:戻るとかいうからだよ
達:松のぼりが悪いんですよ

マンボの松っちゃんと呼ばれたそうです。

達:大瀧さん今年レコードはどうなってるんですか
詠:山下さん今レコーディング中でしょ、いつですか出るの
達:・・・ぐっ・・夏までには出したいんですけど

僕の中の少年は10月でした。

達:ラッツ&スターの鈴木君の曲が長引いちゃってて
もろドゥーワップが1曲ありましてね、力作です
詠:山下君はラッツ&スターのデビュー前にコーラスアレンジを
した
健:禁煙音頭っつうやつですか
詠:ちがうちがう I saw mammy kiss to santa
達:あれはあの人たち勝手にやった、ただ僕は・・・
とかなんとかいいながらいちおうアイディアを出した、必然なんです
よ、楽しみですよ
健:やはり再び出会うと
達:今度のはけっこう大瀧さん好みのやつでね、おやすみロージー
詠:おやすみロウジンじゃないでしょうね

15-16のセトリに入りました。昨年オケをリマスターして鈴木に
送ったそうです。

達:そりゃアータ非常に自虐的です
詠:どういうことかな考えちゃうよ俺
達:副題がエンジェルベイビーへのオマージュです
詠:はー、やりましたね
達:良い情緒でしょ

哀愁のコニーアイランドっつうのもありますから、大瀧さん好み
でしょう。

健:大瀧さんがはっぴいえんどにいたってことを知らない人って
詠:ほとんどの人でしょう、はっぴいえんどが何なのかっていう
のも最早ね
健:ただこの前チェッカーズが「俺たちははっぴいえんどになり
たい」って言った

リーダー武内が鈴木、桑野と組んでやってるようです。

達:本まで出てるんですから誰も知らないってそんなことは
ありませんよ
定本ってのがあるぐらいですから
詠:親分テーホンだってのがありましたけどね


だじゃれが木久蔵っぽいですが
がらっぱちの八は林家珍平
ちゃっかり八べえは林家いっ平

2週目

ニューオーリンズ
健:それでニューオーリンズに接した我々みたいな人間もいる
んですからね、責任とってくださいよ
詠:残念でしたね
達:私もまったく同じですからね、はっきり言って
健:この道に引きずり込まれてしまった
詠:単純にやっぱりロックってビートがいちばん大事で、ビートって
結局ドラムでしょ
山下さんも私も中学生、高校生の頃にドラマーに憧れて
スティックを持って歩いたり
ドラムを敲くっていう観点からいくとニューオーリンズ系のR&Bの
サウンドというのはじつに楽しいんですよ敲いてて
それでこれは山下君も僕も共通なんだけど、ドラムのビートに
合わせて歌唄ってるんですよ
もちろんベースもまああるんだけど、ドラムのビートが一番大切
なんだ、歌に
そういうこと思って我々のレコードをもう1回聴いてもらえると
ドラムが良い感じで入ってきたとことか、そこだけ特徴的に良く
なってるはずなんですよ、どうでしょうか
達:そうかもしれないですね
健:達郎さんいまだにレコーディングでドラムガンガン敲いてます
もんね
達:ドラム好きなんですよ
そこに行くんですよね、ドラムが好きだからニューオーリンズをって
いうことなんですけどね
達:大瀧さんはなんで最初にそうやってあの時
ナイアガラムーンの2年くらい前からニューオーリンズに
一番最初のきっかけは何なの
詠:デイヴクラーク5 I like it like thatで
アラントゥーサンの名前を見て、リードーシーとかその頃のヒット
曲を聴いていたのが、
トゥーサンがニューオーリンズのプロデューサーだったという事を
後で知って
それが一挙に10年くらいの事が結びついた、ああこれだったか
達:リトルフィートとミーターズと
詠:少しマーチとかスネアがロールするというか普通の単調な
ロックビートよりも
いろんな手数がニューオーリンズR&Bにあるのが
昔からマーチが、スーザとかそういう種類のマーチがものすごく
好きで
ドラムの響きが良かったのと、そこに共通性を見い出したと
こじつけだと言われましたけどね

見えない関連性、底に流れる本質、それにそれまで気づかなかっ
た人がこじつけと言うんです。76年4月のゴーゴーナイアガラの
バッファロー・スプリングフィールド特集の時点でも「こじつけ」だと
された解説が何度も披露されてます。16年、MBSラジオ
Till Dawn MUSICのナイアガラ特番で、大瀧さんの「関連性を
発見する力」を内田先生が指摘してます。

達:ジャズと中南米音楽って明確に違ってた、それがゴッタマゼに
だんだんなってきて
8ビートとスイングはぜんぜん違う物だった、いつからR&Rって
チャックベリーは一人でジンジンジンジンジンってスクエアな
8ビートやってんだけど
バックはしっかりスイングしてる、シンバルが跳ねてる
いつのまにかビートルズあたりは・・・いまだによく分かんない

レッツ・ツイスト・アゲンのオリジナルとチャビーチェッカーの物で
その変化が分かります。

詠:ニューオーリンズはとくにそのへんの混合が、混合のまま
一つのセールスポイント、
自分たちのそういうのにしてしまった、そこが面白い
健:日本人としては学ぶべき点が多いんじゃないか
詠:ちょっと何よそれ
ただのブームに終わらせたくない
その2フレーズだけ嫌なんですけど私

健太さんも背筋が伸びる。

達:リッチーバレンスもバディーホリーも50年代後期でしょ、それ
まであったサックスのコンボ
フロアミュージック、クラブミュージックって必ずサックスが入って
たでしょ
サックスがないのがそれがカルチャーショックだった
今に残ってるコクラン、ヴェンチャーズ、ガレージバンドとして
すごく簡単にできる
詠:だからジャズの尻尾だったんじゃないですか
サックスが取れるってところからいわゆるR&Rが

達郎サウンドにはサックスが不可欠ですね。

健:でも再発業界っていうのがけっこう活気づいてる
詠:再発が活気づいてるのと、昔の曲を使って映画がいっぱい
できるのと
整理の時代なんじゃないですか、アレンジメントの、遺産って
いうか
私がそうしてるから、そう言うつもりはないんですけども
フランクザッパと並ぶと
健:旧譜いじりの天才と言われてますからね

13年、自分のための整理。16年、旧知のスタッフが何の目的で
スタジオの整理を?
これ、4月のツイートです。こちらでRTしときます。
https://twitter.com/otokabe_master/status/721350694200958976

ほらデトロイトにあった某有名なレコード会社が新譜には期待
しないとはっきり書いてますから
旧譜だけで勝負って、そうとうCD出してるでしょ
詠:日本の業界ももう少しそういうこと考えるといいと思うん
ですよね
映画に関してもレコードに関しても古いものがあまりにも
出ませんね
健:たしかにあんまり大事にしてないですよね
詠:権利関係は大事にしてるんです
権利関係は大事にしてるんです。大儲けをしたいんですよ
だからずっとストック、ホールドしとくんです。ちょこっと貸して
くれないの
そういうふうにしてガードしてるから誰も借りに行かないの
これはまるで誰も見つからないところでかくれんぼしてるような
もんですよ
やっぱり見つかるところにいるからこそ面白いもんで

『佐橋佳幸の仕事』のコンパイルはどうだったんでしょうか。
労作だとは思います。

達:ところでフォーシーズンズのCDって
健:出てないですよね
詠:聴きたいですねフォーシーズンズはどうしても
ポップスの教科書のようなもんですから、ビーチボーイズと
並んで

88年のイギリス盤が手元にあります。


健:去年ドーっと出たビートルズのCD、ああいうのはみんな
出す方も聴く方も
ありがたがるっていうか大事にするけど
他のそこまで至ってない人たちに対しては冷たいですね
達:すべてのカタログに関して本来は懇切丁寧な、トリート
メントというかね
詠:全部出さなくてもいいけど用意はあって然るべきでは
ないかと斯くの如く考える次第であります

健:私はですね、怒ったのはビーチボーイズのCDですけど
山下さん怒ってくださいよ
達:ワタシャ怒り・・あきれちゃってますよ
健:サマーデイズが、カリフォルニアガールズというタイトル
に代わって、さらに2曲抜かれてCD化された
達:これは昔60年代末から70年代頭になんでもかんでも2枚
セットにして廉価版で出した事があって
その時にすべてのカタログから2曲ずつカットしてやった時の
名残りなんです

健:一応これから出るそうなんで
達:ペットサウンズ出るんですね
詠:ペットサウンズはビーチボーイズに詳しい方に解説を
書いていただかないと
一つがんばって書いていただけるんじゃないかと思うんです
けどね
健:すごい方がきっと解説を書いてくれるんじゃないかと
思ってますけど
達:それプレッシャーですか
達:ビートルズがあれだけやったんだからビーチボーイズも
出す義務があります

公約達成です。
http://www.yutopia.or.jp/~oouchi/ty/05supervise/petsounds.html

king of surf guitar
健:寺内タケシさんがカヴァーしてた
詠:寺内さん今年何周年、30周年?
エレキ発明した人ですからね
達:シュガーベイブで1回やったことあるんですよちゃんと
ストライプのシャツ着て
ユーミンに頼んで横浜の仲間呼んできてみんなでサーフィン
踊ってもらって
12年くらい前の話
健:やらせたのは大瀧さん?
詠:そんなことないですよ、わたしは見てました

それが40年前です。ついついこういう感想が多くなります。

3週目

詠:山下さんのニューアルバムについてがいいんじゃ
ないですか
あなたレコーディング中でしょ、わたしまだ企画中だもん

この先は快盗ルビイがあります。

健:どうやらホッドロッド物で埋め尽くされる1枚になりそうで
すね
詠:この人はねインストゥルメンタルをほんとは作りたい
んですよ
今世紀最後のギターインストのヒットを出せるのは山下
達郎しかいない
達:大瀧さんやってよ、お願いだから
健:大瀧さん多羅尾伴内楽団ですべっちゃった
詠:指が最近むくんできちゃったんで
皆さんご存知あるかないか、萩原健太さんという人も
エレキインストの大家なんですね
健:レコード会社潰したという。自分の番組でかけてない
です、ひた隠しにしてきた

DEBUT AGAINのボーナスディスク。
だから、誰にも聴かすなよ、なやつなんです。

達:去年買ったCDで一番好きだったCD、ドイツで出た
ウォーカーブラザーズ
良いんです。CDで聴くと最高、素晴らしい
太陽はもう輝かない
アナログテープのヒスノイズを防ぐために早めにフェイド
アウトしちゃってて
うーうーうーうー♪
最後の裏声が出て来ないってのが一抹の、不満が

買ってるんですね。ドイツ盤


達:ブラックブックかけましょうか去年出た
シュガーベイブのオリジナルマスターでCDやっていただ
けるそうで
詠:ソングスに関してはやります
それと同時にシュガーベイブの再結成のレコードが
聴ければいいですよね
達:はっぴいえんどが再結成しちゃったからさ、あれで
めげちゃったんだもん僕

94年も再結成はしてないですね。15-16のツアーでは
ずいぶん再現はしましたけれども。

達:トニー谷のあっけらかん(厚家羅漢)って大瀧さんでしょう
ブラックブックの解説はなかなか細かくて、微に入り細に
わたり
詠:私の思いのたけを不遇の時代の
達:夢で逢えたらのライナーが泣けるものがあります、
たしかにこうでした
山下君も何行か登場してるんです

達郎さんだけが理解者だった、というくだりがあります。

達:今から考えれば私はたいして大きい問題ではないと
思ってましたが、たしかにこうでした
数少ない私のカヴァー、ドリーミングデイ
達:これはいわゆる大瀧さんのニューオーリンズが伝染して
作った曲なんですね
ニューオーリンズドラムを強引に
ディオンがニューオーリンズ行って歌ったらどうなるかって
いう発想で
詠:メロディー自体がね、ああ
達:リーバー&ストーラーなんて人をほとんど知らなかった
んです
おっおおーっというのはフールズフォーリンラヴに出て来る
フレーズなんですよ
詠:その着眼点に驚いたんですよ、76年ナイアガラトライ
アングルvol.1の時
ドリーミングデイを作る時に
毎日、あっああっー、ばっかり言ってんの、何してんのか
なあ

健:そっから作り始めたんですか?
詠:曲の作り方ってあるでしょ、そういう部分からできる
曲っていう
ライドオンタイムにも少しその雰囲気ありますよ
達:あれはラスカルズなんだけど、イタリアンアメリカンだから
みんな
もともとはジョニームーアのフールズフォーリンラヴ
あれは曲としてはえらい40年代の香りの濃厚な曲で

メロディーよりも歌唱法という側面で、日本ポップス伝2で
考察されてました。

詠:ドゥリフターズはポップスの原型ではないでしょうかね
スタンドバイミーが、昔のヴァージョンが10に入るなんて
健:あれもリフですべて決まった、イントロの音
詠:でもポピュラーソングってそういうところなんじゃないか
と思いますよ
有楽町で逢いましょうのイントロだけで
歌詞は憶えてないけどイントロは憶えてるでしょ、それが
ポップソングのポップソングたる所以ではないかと
達:ラバンバなんかでもそうですけど、向こうのほんとの
意味でのエヴァーグリーンなわけでしょ
それだけの蓄積があるんですよね
健:古い物に目を向けてるだけだと攻撃されがちなんだけど
今の物を見る眼を面白くするために古い物を引っぱり
出してくるといろんな発見ができて面白いんですけどね
詠:ドゥリフターズはとにかく基本の基本ですね

古い基本の基本を紹介するのに一番なメディアがラジオ
でしたね、当時は。

健:そろそろ終わりに向かわなくちゃならない、そんなわけで
3週にわたって
達:今年が一番すごかった。5年目にして
健:みんな分かったんでしょうか
詠:分かんないですよね、いつもこれで顰蹙買っちゃうんです

健:最後に3人で協議をしまして最後は順当に美しいインスト
で終わろうかと
インストになってしまいました、けっきょく
詠:あなたが司会だから
sleep walk

これがゴーゴーナイアガラでかかったのは『トラ1』のレコーデ
ィング中のことでしたね。
達郎さんは、自分がかかわったナイアガラ作品のハイレゾ
リマスタリングをやる権利がある、あ、義務かな。








ウララカ−インマイルーム