新春放談クロニクル 2003



  




2003年

1週目


達:風邪なんですか
詠:ちょっとね、引いちゃいましたね、めずらしく
達:風邪ひかない大瀧さんが
詠:新春放談で風邪引いたことあった?
達:ないです
詠:初だね
いよいよやっぱりね55となると来るよ。来た
詠:何ディケイドかあったんだろうけど
達:たまたま雪ふってアンテナの雪を
詠:我ながら珍しい
達:昔ゴーゴーナイアガラで「風邪をひいてしまいました」って
詠:しょっちゅう引いてたよ
達:あの頃はひいてましたね
詠:TBSの頃も
達:まだ煙草すってた時代ですかね
詠:もう78年にやめてる

禁煙音頭って!その時だったのか!


詠:でも、これだけの風邪声だと分かりやすくていいんじゃない
声のトーンが普段わからない
どっちがどっちか分からないってよく言われっからね

詠:このまえ奥さんに呼んでいただきまして
達:お世話になりました
詠:お恥ずかしい限りで、申し訳ない
達:だけど、あのカラオケ
大瀧さん、ガイドメロディーがやだって
逆送入れたでしょ
詠:ヴォーカルキャンセルで
達:僕いつもモノで聴いてるんですよ
ほんとに順走まったくない逆送なのか
順走少しは入った逆送なのか最近わかんないんですよ
これで真ん中のメロディー消したんだな
当日聴いたら演奏なくなっちゃってね
詠:モノで聴いたりした時に驚かそうと思って
達:昔ナイアガラでもありましたよね
詠:手ぬぐいヴァージョン
カラオケも無いんじゃ気の毒だから手ぬぐいでも持たしてやれ

達:そういえば
ケーブルテレビの夜中のヒーリングタイム聞いてたら
うれしい予感のインストヴァージョンが…
詠:あるよ
NHKじゃない?深夜便でも聴いた事ある
達:MXテレビっていう
それは外部制作会社のナイアガラーがひそかに主張してるんです
詠:最近おどろいたのはね
久米さんの番組で電気の自動車に
乗って街を歩いてるシーンのバックが
ピチカートの愛餓を、ボサノヴァにしてんだね
達:今度のトリビュートで?
詠:いや、ずっと前の、日の丸をデザインした
達:ピチカートのアルバムに入ってるの?
詠:入ってた
達:そういえば、なんかあったな
詠:ボサノヴァがあの車に合うんだ
あれを選んだ人はえらい
達:選曲家って職業があるくらいですからね
詠:慌てて買ったよ、小西のCD買うとは思わなかったよ
達:自分のカヴァーって目ざとく見つけて買ってます?
なんかほらオルゴールで聴くなんとか
詠:あそこまではちょっとね、さすがの私も手が回んない
達:けっこう大瀧さんのカヴァーっていろんな
詠:カヴァーされうるところの曲が少ないから

ハガキ 茅ケ崎市ミウラヨシナリさん
「夢で逢えたら」大橋恵理子さんでお願いします
中古レコードを何軒回っても見つかりません
CD化される見込みもないので達郎さんに最後の希望を託します
詠:一生ないんじゃないかな
達:知らなかった、僕
大橋恵理子さん、てどこのどなたなんです?
詠:スタ誕の79年かそこら辺の人で
まあ、あんまり売れなかったんだよ
Elleって名前に変えて81,2年ぐらいかな
で、、、茂なんだよ、アレンジ
達:大瀧さん、どうして知ってるんですか?
詠:セントルイスのセントさんと友達だったんだけど
彼と友達だったんだよ
レコードをやった後だったと思うんだけど
面白くないよ(笑)
知り合いだからこういうこと言える

詠:プロモーション盤もある、誰が手に入れるかね
「アバイテごらん、私の正体」
元々が解ってないのに正体って
達:Elleに改名してまたreカットしたの?
だけど82年3月、クレジット、お皿は全く同じですね
詠:覆面歌手とかコロムビアはよくやってたから
コロムビアローズ、覆面歌手だから
青空千夜一夜の覆面太郎
サングラス外すとかコロムビアの伝統的なプロモーションスタイル
なんだ
俺も3年いたから、あそこの会社よく知ってるけど
達:チャカ・カーンとナイアガラとカップリングする根性ですよね
詠:取っても元が分かんない
達:夢で逢えたらのカヴァーってぜんぶ把握してます?
詠:なんかたくさんあるみたいね
達:何でしかし夢で逢えたらってこんなにカヴァーが多いんです
かね
詠:一回も流行った事なかったからじゃない
マーチンが歌うまでは流行らなかった
達:なるほど
そういう流行らないアレンジャーとかプロデューサーの琴線を
くすぐるんでしょうかね
詠:ある種のカルト的なカヴァー
それでもまだなおかつやる人がいる
去年も2曲あったよ。驚いたね
モー娘系の人、フォーク畑とかそういうのない?
弦アレが良いからね、コーラスアレンジと
達:ギターも弾いてるし
ンチャッ、ンチャッ
詠:いま思うとね、美奈子がオリジナルなんだけど
合ってなかったような気がするね
達:今さら言ってどうすんですか
詠:本人が頑強に断れば、デビュー曲はどうなってたか分かんない
「わたし」も合ってなかったけどね
達:あの時代は、合ってるかとか合わないとか言うまえに
歌えちゃうし、聴けちゃうし
だってそれこそキャラメルママっていったってね
ユーミン、美奈子から始まって
南正人っていうフォークからスリーディグリーズまで出来ちゃう
わけでしょ
今のリズムセクションからいったら考えられない
詠:その前の歌謡曲の人は全部やってたから、ある意味合い
では伝統的な
達:ああなるほどね
ナイアガラムーンの翌日がニューミュージック
みたいな世界でしょう
その落差もね
詠:だから良かったような気がするけどね
達:それがフェイクじゃなくて本物だったじゃないですか
トントコストトン…てやっても本物だったし
ミッナイトレインってやってもそれなりの情緒があるわけじゃない
ですか
詠:30年も経ってみるといろんな事が分かってきますね

達:今年でついに大瀧さんと出会って30年なんですよ
詠:73年の…5月か…
達:8月です。夏の暑い時です
詠:ああ暑かったね、蝉が鳴いてたね
達:9.21のひと月ちょっとぐらい前でした
詠:僕も福生スタジオ30年ですからね、ちょうど
達:あのとき大瀧さん25歳だった
詠:若かったんですね
達:すごく老成してましたね、その割に
詠:25で、子供が出来て、スタジオ持って
プロデュースやって、グループ2つあって
エンジニアやりつつ、ラジオDJ自分で編集して
いろんなこと一気にやってたわけで
達:完全家内制手工業ですね、今から考えると
システム、企画とかじゃなくて、ぜんぶ個人から出て来た物です
もんね
詠:今の蒲田とかあの辺の鋳物産業のような
世界が技術を買ってくれる、そういうような
達:実は昔からあるんですよね
詠:ローカリズムの極限の、ある種のグローバリズム
世の中どうなるか分かんなくて
長い間、僕の理想とする会社経営の事を言うと
「オッさんの発想は町工場だ」何度いわれたかね
達:町工場ですもんね
詠:というふうに僕は思うんだけどね
達:町工場の何が悪いのか
詠:で、あるはずだってずっと思ってやって来ました
達:居直れなかったんでしょうかね、その時に
詠:その辺がちょっと難しい
大会社にしたいっていう方が、まあ一般的には

達:そうすると大瀧さんはソロデビュー30年を越えたんですね
ソロアルバムが72年、去年が30周年
詠:なんかやらなきゃいけなかったですね
達:ベルウッドのファーストアルバムが
30thアニヴァーサリーやればよかったですね
今年でもいいんじゃないですか
イーチタイム、来年でしょ
今年、穴が開くから
詠:だからそれ考えたんですよ
穴が開いたら、なんかで埋めようって
普通の考え方でしょ
松井がいないからペタジーニで埋める、とかさ
誰でも考える、穴を埋めるというのをやめて
穴は穴にしておこうと
今年は穴にしました
達:Let it be ですね、as they are

達:去年の新春放談で小林旭さんの企画の話されてて
それがめでたく出て
去年は大瀧さんの知らない所で動いたのが結構あって
詠:トリビュートとかカヴァーとかね



『HAPPYEND PARADE』ディスクの下にコメントがあります。
細野、鈴木、松本3人はコラボ参加してます。


達:トリビュートは僕の会社なんですけど
あれは向こうから話が来て
よくOKしましたね
詠:トリビュートしていいでしょうか、と聞かれて
やめてくださいともなかなか言えないでしょ
達:僕はやめてくださいって言います
詠:ああそうなの
基本的にカヴァーでしょ
カヴァーはね、やめてくれとは言ったこと一回もないの
僕もWhat’d I sayとかyellow submarine とか勝手にカヴァーして
るしね
了解した上ではないから
やりたいんですけどって言われたら
協力は出来ないんですけど
だから、最初に何も出来ませんけども、それで良ければ
達:ちゃんと釘さして
詠:全部おまかせなんですけど
聴きました?おたくの会社だから
達:不思議なこれ
全部イマドキの若い子かというとそうでもないし
全部ベテラン勢かというとそうでもないし
詠:僕は思ってたよりは面白かったですけど
ずいぶん低めに思ってたね、って言われました
達:まあ大瀧さんがハナっから期待するわけもないし
詠:やってくれた人に失礼だからこういう言い方はなんなんだけれども
元々カヴァーは僕は好きなんです、どんなんでも
良い所を見つけようとするタイプなんです
減点主義ではなくて、長嶋型なんです
達:そうですよね、それは分かります
詠:どれか引っかかった物ありました?
達:意外とね、ストレートなやつがどうしてもね
前川清さんの
巷では前川清らしくないとか
もっと逆に大瀧さんらしく、とか
詠:一応これは鑑がやってるから
「前川節でやるように」それ一言いいました、ええ

達:もうちょっと福生ストラットとかいわゆるブルース物があるかと思った
んですけど
詠:最初はね、候補曲ではいろんな物を聞いてたんですけど
達:喧嘩してなかなか難しいやつを選んでますね、みんな
自分の方に引き寄せるのが、結局カヴァーの戦い方だから
これの中で1曲やれって言われると僕ぜったい出来ない
やっぱり「指切り」だったでしょ、最初
詠:はいはい、カヴァーしていただきまして
あれ初だから
達:大瀧詠一のカヴァー、初ですか?
はっぴいえんどのは無かったんですか
詠:無いんじゃないかな
達:僕はだいたい大瀧さんの作品を生まれて初めて聴いたのはカヴァー
なんですよ
詠:誰かの?
達:あのね、青い森って渋谷にフォークの店があって
そこで古井戸が、かくれんぼと春よ来いやってた
詠:へーーー知らなかった
達:まだチャボがいた三人組の古井戸ですけど
詠:ふーーーん
達:まだ高校出るか出ないかの時で
友達と見に行ったら、けっこう良い曲だなっつって
僕の友達がはっぴいえんど買って来た
そっちの方が先なんです
古井戸が、カヴァーの方がね
詠:ヴェンチャーズのロイオービソンに匹敵する話ですね
達:そうですね。まったくね
詠:後から来る時は何かのきっかけがないとね
リアルタイムじゃない場合は
達:きっと若い人はこれ聴いて、堂島孝平さんの「天然色」聴いて
それでナイアガラへ
詠:でも、堂島孝平の聴いてジャニーズ系にこういうのがあるんだって
思ったね

達:僕が最近買ったシングルで一番笑ったやつ、聴いてくださいよ
詠:笑ったのがあるのね
まあ、何を聴いても笑うから、俺たちはね基本的に
達:80年代のケニー・ゴールドっていうイギリスの有名な
どっちかというと16ビート系の、ブラコン系なんですけど
珍しくフィルスペクター・クローンなんです
聴くと分かります
83年だっていうのがミソなんです

詠:笑ったね、さすがに
達:これははたして他人のそら似なのか
ケニー・ゴールドがロンバケを聴いたのか

サイダー83を聴いたのか


これをハンチクな奴が聴くと、元ネタだとか、パクったなんて
間奏のギターのバランス感覚とか自分がやってるみたいだと
思いません?
詠:でも世界中にスペクター・フォロワーがいて
スペクター・フォロワーをコレクトしてる人がいるのよ
ロニースペクターが歌った大瀧作品てのがあるんですよ
ダーレンラブと
達:えー?へっへっへ笑
詠:知らなかったっけ
達:知らない。何を歌ってるんですか
詠:なんだっけなあ、風立ちぬだったかなあ
達:いわゆる逆カヴァーもんなんですか
詠:流行ったでしょ、あれ
達:ポップス普動説がグローバル化してきましたね
詠:それを血まなこになって探してるアメリカ人がいるわけよ
「俺はスペクター・フォロワーをぜんぶ集めてるんだ
どうもお前の作品らしいから」ってんで
送ってやったのよ
で、僕の頁をたまに見てるらしくて
幸せな結末のジャケットが出たら
「お前なんか新しいの出したのか、聴かせろ」ってメールが来て
送ってやったんだよ
「世界中のフォロワーの中でもお前はかなり良い方だ」
褒められたよ
達:だって大瀧さん1人だけじゃないですか
詠:けっこういるのよ、ブラジルとか
達:いや、日本じゃ
詠:日本、まあね
達:スペクター・フォロワーの話のついでですけど
今年でたイギリスの新譜なんですけど
ブリティッシュ物のブリルビル作品集
スペクター・フォロワーの
来たばっかりなんです。大瀧さん好みかなあと
だいたいアンドリュー・オールダムかジョー・ミークか
詠:ネギルファイブもやってんだ。スッゲーなあ
イギリス全体がある時期スペクター・フォロワーだった
達:何でしかしあんなにアメリカの音楽が
モータウンしかりフィラデルフィアも
何であんなにドーッと来たんでしょうね
特にイギリスに
詠:イギリスはとにかくあの頃すごかったよね
達:特にスペクターとモータウン、ノーザンソウルと
言われるような物と
プロデューサーとかアレンジャー、エンジニアもそうじゃないですか
詠:一緒に写真撮ったりとか
アンドリューオールダムなんて真似してんでしょ格好
達:格好、同じ写真あります
詠:あれジャックニッチェの俺のパロディーとおんなじだよな



コロムビアの伝統的なプロモーションスタイル
アバイテごらん!


達:だってストーンズもね、掛けたくもないエコーかけて
詠:Tell me がbe my baby だって聞いたときはもう笑ったな
達:B面のcongratulations とかもきっとyou baby やりたかったとか
そういうあれでしょ
いま聴くとたしかに12弦の感じが
詠:ビートルズにトンツトトン、タラタ hey what you doing
、てあるじゃん
あれもスペクターなんだって、どこがあ!って
ほへえーって思ったけど
達:そうなんですか、言われりゃそうだけど
さすがに30年以上経つから
30、40年ぐらいのスパンになるじゃないですか
スペクターが産まれて、だから諸説入り乱れて、後から
こじつけて通っちゃう
詠:大元の人は何とでもね
達:大瀧さん、これ読みました?
レッキングクルーの話
スタジオミュージシャンが上でバンドは下手で
独善的な箱庭みたいな価値観で
書いてる人が僕と同じような歳の奴
ハルブレインが好きなんだそうです
こういう人とハルブレインを共有したくない
「読んで面白かった」とかハガキが来ればくるほど
この本はほんと良くない
詠:やっぱりね、このごろネットもそうだけど
頭とおして音楽聴く人が増えたような気がする
我々は体で聴いたのよ
体の反応しない物はダメなの
達:R&Rは特に肉体言語ですから
詠:かくべつ言語とか情報とかに左右され過ぎてるんじゃないかな
達:音楽を文字で語る人は、ネタが尽きて来てるので
ツタンカーメンの王家の墓じゃないけど
人がいじってない所を掘り起こそうと
それのレトリックをどうやって作るかっていうね
詠:僕は古本屋を時々まわるんですよ
神田あたりを昔の喜劇の本なんか
ああいうの見るといっぱい出てたんだあって
だから埋もれていくんでしょうね
そういう種類の物は

詠:ハルブレインで言えば
前々から僕のエルヴィスの一番最初に買ったシングルは
心の届かぬラブレターだって話をして来たと思うけど
return to sender
せんだみつおが、よく、リターントゥセンダ!
ハルブレインだったんだよ
はじめて気がついた
あんなに早くからエルヴィスのセッションに
参加してるとは知らなくて
達:一番最初はトミーサンズのバックでしょ
50年代に
詠:それで、エルヴィスはブルーハワイから入って
本格的にはこのガールガールガール
I don’t wanna be tide 僕を縛らないで
あれはどう聴いてもハルブレインだって
誰が聴いても分かるんだけど
return to sendaerは分からなかったんだよ
当たり前過ぎて
ハルブレインだって思って聴くと
全部ハルブレインなんだよ
オリジナルのアルバムミックス、リアルステレオ
最近ないんだよ、リミックスしたようなのが多くて

詠:このミックスで聴かないと当時の感じは出ないんですよ
達:これで聴くと、左にセパレーションがあるから
言われてみればハルブレインだ
モノラルでまん中で聴くと途中のオカズだけじゃ
詠:あれだけで判断するのはすごい難しくて
これっていった特徴がないから
ノリをずーっと一緒に体でキープしてると
ああやっぱりハルブレインだなあ
達:去年はエルヴィスのナンバーワンヒット
詠:娘が聴いてて、もらったんだけどね
俺は聴いてない
達:僕も不勉強で、これモノなんでしょうか
詠:どうなのかねえ
途中までモノでその後ステレオなんじゃないの、、すいません
とにかくいっぱい出るから、さすがの僕も
全部っていうわけにはいかない
レアマスターズみたいのが出たんですよ
山下さんのレアリティーズのようなね
レアマスターズの方は音が良かったね
テープをこすってないっていうせいもある
達:これだってrunさせまくって
ハウンドドックなんかひどいでしょ、酷いよ
だからレアマスターズを聴いて
本当のテープはこうだったんだろうという想定のもとに
音作りした方が正しいのかもしれない
達:デジタルだったらいま出来ますからね
詠:デルシャノンのランナウェイもこすり過ぎてひどいね
それからポールアンカのダイアナがモノが無いね
ぜんぶ擬似ステレオをモノにした物
どこにも無い、CDになってない
達:大瀧さん、ロングバケーションのサブマスターってあるんで
しょうか
詠:サブありますよ
達:サブは使ったことない?
詠:うーーーん、どうだったか、、、聴いた、良くなかった
それで止むを得ず
達:この間ね、クリスマスイブが今年で20年なんですよ
詠:なりましたね
達:実は初年度にピクチャーレコード作ってるんです
それ用にナナロクでサブマスター1本あって
20年ぶりにそれを引っ張り出して
マスタリングしたらこれがすっばらしい音して
Un playedだから
なかなかセカンドジェネレーションも侮れないな
詠:1回も回してない場合はいいんだけど
サブもロンバケはずいぶん使ったんだ、当時
もうえらい草臥れてる
のと、ほら84年でしょ
その頃のテープはもう良かったんじゃないの、何?
達:アンペックスです
詠:スリーエムだから、もうぜんぜん駄目
神のいたずらか、消える運命にあるんでしょうね
良い時にデジタルが出て来たという事なんじゃないでしょうかね
あれがアナログだったら大変だったです



達:全部アナデジは終わってるんですか
詠:イーチタイムはこれからです
達:来年だすんでしょ
詠:出しますよ
、、、どうなんですかね
なんだか飽きたね
達:んとにしょーがない
詠:旧譜いじりもねえ、いい加減あきるよ
達:良いセリフですね!
「旧譜いじりもいい加減あきた」から!!
詠:言ったって、あと1枚っきゃないんだよね
達:「あと1枚しかない」から!!!
面白いハガキがありましたよ
札幌市、タチハラヤスナオさん
小米朝さんが
「親父は天邪鬼だから大ホールでやってください
って言ったら断るけど、
断りましょうか?師匠と否定的に
聞く戦法を取ればまたやるのでは」と
そこをヒントに
達郎さんから非定型、反語型、時には直球で
大瀧さんが断らない方向でニューアルバムの質問をして
いただけないでしょうか
話題に加えてもらえれば結果はともあれ
今年も胸のつかえも取れ、お餅も喉につかえることなく
良い正月を迎えられそうです

詠:いやでも、まりやさんのメールひとつですからね
達:すごいですよね
詠:もう触れたかもしれないけど
女性とスタジオでデュエット、ライヴレコーディングは初めてですよ
僕32年のキャリアで
達:シリアさんとは別なんですか
詠:別録り
橋幸夫、吉永小百合方式
前にもいろんな所で言ってたはずだけど
同時に歌ったのは初めてなんですよ
達:同時も、振り分けも、大瀧さんが歌ってるの
何年見てないか、僕も
詠:5年前も吉田さんも見てないから
達:吉田さんが一番びっくりして
今年の冬は大雪だ、とか言ってた
詠:たまには驚かした方がいいかな
達:あのsomething stupid はカラオケでやってますけど
今はエレクトロニクスでオケ1個録って
ハメればそのまま出来ちゃいますから
詠:あの時は僕は緊張して
やっぱり5年ぶりって出るんですよ
5年のブランクって
達:そりゃ出るでしょ
詠:あなただって、13年間自分のレコード出さずに
マイクの前に立ったって経験ないでしょ
達:ありませんね
詠:5年前もそうだったんだよ
これがね戻って来ないわけよ
達:10分や15分で戻って来ちゃ
日々ああやって働いてる歌手の皆さんは
詠:いやいや、頭さがりますよ、ほんとに、ええ、ええ
来ないなと思ったら、やっぱ来なかったね
来ないもんなのよ
前もそうだったの、駄目かなと思ったんだけど
まあ毎日やってるうちにだんだん戻って来るんだ
完璧には戻んなかったんだけど
達:3日ぐらいやればよかったんですね
詠:まあそうなんだけど
そういうもんでもないでしょ、これは
ちょっとカラオケ屋でちょっと歌う感じ
じゃお年玉プレゼントでもう一回
達:モノラルで聴かないように



2週目

ライドオンタイム、再発
キムタク主演「日曜劇場グッドラック」

達:キョンキョンとデュエットの快盗ルビイ
いきなりどうしたんですか
詠:人に提供した曲って基本的にあまりやってないんですね
書いた物はその人に向けて、なけなしの才能を
あとキーが全く別だからね
達:キーに神経質ですからね、大瀧さん
詠:キーがちょっと違うとぜんぶ下手になる
キーが合わないとずーっと
あれ不思議だね
達:そんなもんですよ
半音ちがっただけでぜんぜん歌ちがいますよ
詠:半音の中にポイントがいっぱいあるんだ
男と女なんてまるでそうでしょ
小泉の場合は上がCだから
ひとつ低いんですよ
暗いね、とか、デモテープ聴いて
暗いもないでしょ。男が歌うとあれっきゃないんだから
これがね、たまたま偶然に
当時のスタッフだった相茶君のお父さんのお葬式で
担当ディレクターの田村と会って
久々に快盗ルビイ聴いたら良かったよ!
って言ったのがきっかけだったのよ
それでアイディア閃いたらしくて
「デュエットどうでしょうか」って
いや、あんまり、、、断ろうと思ったんだけど
相茶君のお父さんのお導きじゃないか
「やれ」って言われたんだな
そういうふうに僕はすぐに取る方なんですね
達:仮歌なんですか、あの当時の声なんですか
詠:2回ぐらいしか歌ってないと思うんだよね、気軽に
ガイドヴォーカル
達:キョンキョンはあれを聴いて
詠:だから、ずいぶんあの通りに歌ってた
達:昔、女の人でも、僕はアンルイスに書いてるけど
自分で仮歌やってたじゃないですか
今は仮歌屋さんがいてね
女の人だったら女の人がちゃんと歌う
詠:歌謡曲には昔から
達:僕なんてぜんぜん関係なく
詠:あなたの場合はキーがね
それでもトっちゃん坊やみたいになります


達:上岡さん惜しむ声が…
詠:あの人がマラソンやり始めた理由が分かったね
なるほど旅行、散歩、マラソンとかそういう事と
同じなんだなと思いましたよ
達:旅行はなさってるんですか
詠:やってますけど毎回というわけにはいかないから
達:散歩はどのぐらいやるんですか
詠:2時間から3時間
達:スポーツは最近は
詠:やんないですね
散歩をやるようになってから
なるほど、これも旅か
やっぱ五十五ですよ
55、
ナイアガラ、、
達:それ言いたくて来たんじゃないですか
詠:夕べ寝ずに考えた
達:30年になりますけど、いったい執着があるのか
無いのか、よく分からない人生ですね
詠:ですよね
達:無いとは言えないし
詠:無いとは言えないですよ
達:あるとも言えない
詠:うーん、あるでしょう
在り方がちょっと変わってる
達:でもやっぱり、いろんなひと知ってるけど
ぜったいに嫌だって言ったら
最後まで嫌だって通した人って
僕の人生で見てる限り3人ぐらいしか
嫌だって言ったらやんないもんね
詠:やんない時はやんない
達:いいじゃないのと思うんだけど
頑固者と言えばそれまで
詠:頑固者はあなた
僕はぜんぜん頑固じゃないですよ
順応派ですね
達:基調方針から外れる事は駄目なんでしょ
一旦NOと言ったら絶対NOだっていう事あるじゃないですか
詠:99%いっても中村ノリのようにポーンと
1%でひっくり返るっていう人生を
僕、3、4回ありますよ
達:それが今回のSomething stupid だったりするわけだ
詠:いや、Something stupid は到達点として最初から用意されて
いた物
達:もう霊感師だな。そろそろ来るな、と思ったんですか
詠:81年に、杉君とまりやさんが僕のスピーチバルーンという
番組に出ていただいたんです
結婚いつ?
達:82年です
詠:あの時まだ結婚してなかったんだ、81年9月
達:付き合ってた頃です
詠:いや当然知ってたよ
そうなんだー
達:82年4月ですから
詠:あのとき初対面だったと思うんですよ
その時の放送があるんですけど
聞くと面白いですよ
デュエットの話してますよフフフ
ハガキ:神奈川県シラキトモコさん
「他にデュエットしてみたい女性はいらっしゃいますか
今回のまりやさんが最後ですか」
詠:かもしれないね
山本譲二じゃないんだから
なに言ってんだかな、もう



達:デュエットづいてるといえば
詠:機械的な物は山のようにあるし
ライヴは何度もやって来てるけど
ほんとレコーディング初めてだから
僕の場合はね、最初が最後になるというケースは
けっこう多いですから
達:じゃあシリアさんのvery thought of you は別録り
詠:別録りですよ
僕が最初に歌って
僕が橋幸夫ですから
達:橋さんと吉永小百合さんのは
詠:別だよ。っていう話を聞いたよ
達:でもあの頃はツーチャン1発だからサウンドオンサウンドとか
ですかね
3トラックじゃないでしょう、まだ
詠:スケジュールが合わなかったのと
忙しいからと緊張するから
聴いて良きゃいいじゃない
達:別にやってよくこれだけ合うな
別にやった方が合うんですよね
詠:合うよ
達:同時にやって合う方が珍しい
詠:あんまり合わそうとすると変になるし
達:いつも言われます「語尾が速い」って
詠:あなた?
やっぱりスティーヴ&イーディーは凄いよ
求める人は多いでしょう
やってもいいんじゃない
スティーヴ&イーディー、日本の
達:あういうう、、、別に、、チャンスがあれば
詠:なんだ、誰かの返答みたいだな
チャンスがあればって
達:結果論なんですよほんとに、無いのは
詠:あーそうなの?
頑なに意固地になってやらないとか
達:ぜんぜん
Let it be meなんて結婚式ネタですし
詠:普通にスティーヴ&イーディーをやれるのは
君たちしかいないよ、歴史的にね
たしかに森昌子&森進一はいるけど
スティーヴ&イーディーにはなんないからな
ハガキ:富山県サントウマサアキさん、超常連
「忘年会で上司とOLが歌ってるみたいです」
詠:男女デュオって必ずそう言われるんだよね
僕のは必ず「暗いね」って言われるんだ
低いんだよ、キーがよー
お前もそれぐらい低くさで歌ってみろよ、一回
達:女の人だから上げると高いから、オクターヴ低くする
詠:上げて裏声でやってもいいけど
オヤマじゃないんだからさ
ニュアンスを伝える事の方が大事だから、ちゃんと歌うよりも
あんまり自分の味だしたり、フェイクを入れたりすると
その人に悪いから
「歌えない」って言われた事あるから
真面目に歌ってるんです、ガイドヴォーカルだよ
だから世に出したくなかったんだ
言うだろうなってセリフ、みんな言うもんだね

詠:幸せな結末の中国版
中国語
香港の人だと思う、女の人
去年かな、出たらしい

辛?hhttps://youtu.be/rjb7-6UmGAw

達:絶えて久しい素直なオケ
日本の今のオケよりギミックが無くて
歌も上手いし、ルックスも安室ちゃんが
詠:向こうのアイドルらしいよ
達:台湾の、何て
漢字が分かりません、第2水準にも出てない
詠:これは無理でしょ、見た事ない漢字だよね
達:大瀧さん、それ読めるんですか?裸眼で
詠:え、字が見えるかって意味?
見えるよ、かなり離して、1メートルぐらい
達:老眼鏡は使わないんですか
老眼鏡って良くないですね、リーディンググラスか
詠:去年、免許だったんだけど、書き換え
眼の検査あるでしょ
前の時に「そろそろ眼は来るよ」って言われて
メグスリノキをしこたま飲んで行った
達:眼薬のなんですか
詠:メグスリの木
達:メグスリの木って何ですか
詠:有ンだよ
達:何それ
仙人秘水みたいなもんですか
詠:木なんだよ、木
達:どうやって
詠:煎じるんだよ
達:煎じて飲むの
ビタミンAがたくさん入ってる、ヤツメウナギの親戚みたいな
詠:ヤツメウナギは効かなかった
達:色々やってんだ!
文字通り、涙ぐましい
詠:腹ぐあいおかしくなるんだけど、府中に行く間、無理にガーッ
と飲んで
達:それが効いたら誰も苦労しません
詠:効いたよ
メグスリの木は効くよ
達:岩崎君それやってみないと
僕まだ眼鏡使用でもないです

詠:熱き心にの韓国ヴァージョン
ナフナっていう10年ぐらい前だったかな
日本語で歌ってる

羅勳兒https://youtu.be/H3JA4Fz6xfA

達:この人は上手い人ですね
レコーディングは日本なんだ
詠:上手い人ですよ、歌唱力はあるし
テイチクから出てます
達:なかなかエコーの感じはキャリアのあるミキサー
詠:吉田さんじゃないの、内職で
達:吉田さんはもっと入れますね
詠:歌い方とかがあって
やっぱり韓国のサッカー見てたら
こういう感じだって感じましたね

2002日韓W杯、見てたんですね。


詠:国によって解釈が違う
個人もあるんだろうけど
国によってあるんじゃないかと思うのは
次のこれも
台湾なのか香港なのかよく分かんないけど
ラブンという人の中国語ヴァージョン


達:しかしアジアン・メロディーなんですかね
こんなにアジアで
詠:これ僕おどろいたのは
マイナーなる所あるでしょ
あーつきーこころに?の所でコーラスかぶるじゃん
あれがなんかロシアっぽいんだよ
達:昔からありますからね、シベリア鉄道のね
詠:ロシアメロディーなんだけどね
あすこにコーラスを被してくる感覚は大陸つながりで
達:自分には無いですか
詠:え
達:大瀧さん本人には無いんですか
詠:いや、あすこ普通、コーラスかぶんないでしょ
日本的に考えると
達:たしかに
詠:来ないでしょ
来るんだよ、大陸
達:あすこが要するに肝だと思ってるんですね
詠:あすこに反応してるわけなんだよ
達:日本だとあのあとの
詠:あっちに来るんだけど
あすこに来るっていう解釈が僕は面白くて
ぜひこの歌をイタリアの人にカヴァーしてもらいたい
あすこはロシアのメロディーなんだけれども
でもオペラじゃん。ご存知の通り
達:朝妻一郎さんにフジパシ通じて、カンツォーネヴァージョン
詠:ジェイとアメリカンズのジェイさんみたいな人で
ゴーンと一発やってもらったら
達:歌は圧倒的にさっきの韓国の人
オケがぜんぜん付いて行ってない
オリジナルカラオケでやった方が
なかなか良い勝負になる

達:だけど一歩間違えたら、演歌で
あの頃だってけっこう来てたじゃないですか
オファーが書いてくれって、リヴィエラからあと
ぜんぶ断ってきちゃったじゃないですか
詠:出来ませんよ
達:受けてたら今ごろ、第二の…
詠:簡単にやれそうな物ほど難しいのよ
ていうのを分かるともう全く出来ません
例えばね、技術的にコード進行は少ない
使ってる音が少ない、かなんとか
演歌ならいつでも書けるとか
書けません!って
ぜんぜんダメ!
船村先生とか遠藤先生とかって出来ませんよ
逆立ちしたってダメ
達:そうですね、認めます
詠:ただあの人たちの後継者がもし誰もいなければ
お鉢が回ってきたかもしれないって気は
しないでもないね
達:演歌じたいのニーズがだんだん落っこって来ちゃった悲劇が
あるから

話は逸れますが、
成瀬巳喜男の50年代の代表作って《演歌》だと思うんですよね。
わたしがリアルタイムで聴いた80年代までの昭和の《演歌》の
テーマと共通するような。
戦後という時代があって、貧困があって、封建的家長制度や
男女格差があって、
そこに悲恋があり、立身出世と憂世、厭世のストーリーがある。
今、「おしん」を再放送してますが、「おしん」で昭和が終わった
んでしょうか。
「青い山脈」柏原芳恵版で戦後が終わったように。


詠:キーで思い出したけどね
遠藤実さすがだな、と思ったのは
熱き心には低いって、旭には
僕が歌ったのもあるんだけど
僕には1音高いの
あの頃の旭さんに合わせたんだけど
遠藤さんは全盛期の旭さんで
オリジナルキーのまんまで作る人なんだって
出ない声でもその人のキーで歌って
「あれ半音から1音ひくくないかい?」
って言われたのよ
そう言われて聴いてみると、全盛期の物に比べて
はああ
たしかにね、仰る通りだと思った
すごいなあと思ったなあ
達:やっぱり知らない世界がまだまだあるんですね
詠:あっちは深すぎて駄目だよ
俺は早めに逃げ出してよかったと思う

達:今年はそういう去年の小林旭さんみたいなコンピの編纂するとかは
詠:あのお、さすがに無くなりましたね
小林旭やっちゃうと本当に何にも無いね
、、、いや、もう何にも無いよ…

オクターヴ低くないかい?

詠:どうしよう、今年一年
イーチタイムまでどう持たそうかね
達:83年てのは人に曲を書いてる
詠:20年前はいちばん忙しかった

イーチタイムの制作を中断して、薬師丸とラッツを4曲プロデュース。
あの西武球場のイヴェント。そんじょそこらの生半可なフェス参戦と
は、遠くかけ離れた大プロジェクトだった事が解明されました。
なにより7.24はイーチタイムの発売予定日直後だったんですね。
そして信濃町に戻りレコーディングを再開する…


達:作品集もまだ出てないのあるでしょ
詠:もういいでしょ
みんな個別に集めてるから、うん
達:今年は休みの上の上塗りで休みですね
じゃ今年は暇だからなんかやれるじゃないですか
詠:そういう意味では、やりましょうよ
達:ナイアガラトライアングルvol.3
詠:デュエット、デュエット
「歴史は女が作るってか?」
って家族中で受けてたよ、うちで
作るってかあ?てのが
達:ナイアガラトライアングル女編は考えた事ないんですね
詠:ありますよ、昔から
シンガーズスリーとやるとか
シャネルズ、オシャマンベキャッツと僕とかね
達:何回となく企画は出るんですけど
Vol.3は佐野君と例えば村田君と安部君でやろうとか、フジパシ
がらみで
詠:いろいろ消えてるんですよね
消えてるったって立ててないんだよね
達:トライアングルは基本的に4,4,4,じゃないですか、分担が
やってやれない事はないんだけど
詠:ないですよね
達:でもやりたくないってだけでしょ
詠:僕ですか?全然やりたくない事ないですよ
4曲ぐらい作りゃいいんでしょ
達:言・い・ました・ね
詠:言ったよ
明日までに4曲作って来いって言われたら
今は風邪ひいてるからちょっと無理だと思うけど
4曲ぐらいは朝めし前ですよ、ああた
散歩行く前に
達:10曲入り作ろうと思うから駄目なんですね
詠:うん、、
もうコンセプトアルバムと言われた時代で育ってるからね
どうもああいうのじゃないと駄目なような気がするわけ
達:分かります。そういう人はなかなか出せないんですよ
詠:何にもコンセプトが出て来ない
達:セルフカヴァーなんて死んでも嫌でしょ
詠:嫌だね
トリビュートやカヴァーはみんなやってほしいけど
達:人に書いた曲はいいけど自分の出した曲をもう一回
リレコなんて
詠:もうほら、もうやるだけやったもの
そういうのは、え?自慢じゃないけど
デビューと称したベストだとかさ
あれセルフカヴァーでしょ、今で言うと
達:確かにそうですね
元祖セルフカヴァー
詠:夢で逢えたらのアルバムだってカヴァーアルバムだった、
いま言えば
達:確かにそうだ
高田文夫さんみたいな答え方になった
詠:アイディアでよければ商業的には上手くいかなかったけど
いろいろやってるよ、ずいぶん早いよ

達:今日はね、神戸のサンダーハウス憶えてます?
詠:憶えてます
あなたがよく良いって言ってる、後ろ向いてやったって言う
達:それの時のライヴ。これが意外と良いの
詠:えええ?、あそう
達:空飛ぶくじらとね、外はいい天気
アンコール何度もやらされるんの
最後に福生ストラットをやるんですけど
これは非常に貴重だと思いますよ
詠:へえ〜え〜
あの騒音の、ほら、天井の低い、喫茶店に毛が生えたような
ちゃんと声出てるし
すっごく高い声出てるんですよ
空飛ぶくじらを一緒に歌ったら高くて歌えなかった
詠:ウソー?あなたが?んなバカな
達:ほんと
あの、囁くようにね
く〜じ〜ら
詠:出てんの?
達:出てる
詠:やけくそになって歌ってるんじゃない、あの日
達:これ4回やって、いちばん機嫌が悪い時なんだけど
詠:そうなんだ
機嫌悪い方が良いのか、じゃ俺
達:わりと最後にはちゃんとメンションしてますよ
詠:ああ、戻すんだよね
なんだかんだ言いながら
それだよ、俺の本領
達:人には見せない
詠:いや、後で分かる


拍手の数、、、何人の客でやってるんでしょう。

達:最後の福生ストラットもそのうちかける
リクエストが来るからまた来年
この前がシュガーベイブが前座やってるでしょ
前座の演奏時間の方が長いの
でも、これ90分ないんですよ
それを2ステージ、2日やったでしょ、4ステージ
詠:なーんで不機嫌だったの?
達:4回目でくたびれてた
なんで4回もやらなきゃならないの
たしかに僕もそう思ったんですけどね
土日で4回やって、終わったらそのまま新幹線で帰る
一泊二日
土曜日はね、けっこう機嫌よくやってたんです
大瀧さん、お客と受け答えして
日曜日の昼間、サウナ行ったのが良くなかった
詠:あれが良くなかった、なんかね変わった事やると
なんかサウナの中に怖い人がいたような気がするな
達:妙にぬるかったんです
詠:一緒に行ったんだ
達:行ったんです
それでフォーエヴァーレコードに借りたフォーラヴァーズを失くして
詠:俺が?あ、どっかで失くしたねーレコード
達:それもあったんですよ
詠:ふうーーーーん
達:これからもう26年
76年1月
詠:この頃シュガーベイブとツアーやってたんだよね
布ヤンは?
達:いません
大瀧さんがメインで4回ステージ
GS並みの
このすぐあと解散するんだけど
最後に「次に来るのは六番町コンサートで3月にあります」
けっきょく行けなかった、解散して
昨日マスタリングしながら、けっこう思い出しちゃった
僕の使ってるテレキャスターを弾いて
僕がオルガンに回って
ターボーがコーラスやって、結構よくハモってる
ハンドクラッピンとか
3声で村松君と僕でちゃんと
ハェ〜〜ン
ズリ上がりのとこ
詠:君の声は通るから、あすこでグーッと出て来る
達:家で聴いてください
大瀧さんの演奏と前の自分たちのシュガーベイブの演奏が
あるでしょ
同じバンドがやってるとは思えないような音楽の違い
2コード・ブルースと、その前はメジャーセヴンス
今ないですよ、そんなのね
詠:たしかに
同じレーベルだったからね
達:面白いですよ、いま聴くと
詠:そうか、ブルースシンガーだったのか、俺は
達:そうですよ。R&Bシンガーですよ
詠:R&Bだったんだよね、出来損ないの
だから布ヤンとかウルフルズがやった方が
良いのは当たり前なんだよね
だからR&Bの作家だったんだろうね
達:オーティスブラックウェルみたいなもんですね
詠:そうそうそう
達:それは私が作った、
詠:それはあるよね、don't be cruel
ブルースっていうとシンガーソングライター
ていうか
その人が歌わなきゃいけないっていう先入観も変だね
達:ブルースは自作自演のストリートミュージックです
詠:基本的はね
オーティスブラックウェルみたいな人もいるわけだから
…俺はオーティスブラックウェルだったのか
この線で行こう、こりゃ良いヒントもらった
達:悪いこと吹き込んじゃったな
詠:でもね、ある考えはあるのよ
ちょっとクロスするね、それと

妄想すると、
この時点で「東京ラブシネマ」の制作は立ち上がってるはずです。
メインはA面調のポップソングにするとして、B面のノヴェルティを
構想中でしたよね。
キャストで歌わせて面白そうなのは、、、宮迫デス!
竹中直人も荒川良々もいましたね。


4曲は作れるよ
達:作るって言ってますよー  川´q`)
詠:4曲作れば良いんでしょ
達:今日は企画が大瀧さんに寄られちゃったんで
昨日メールして
あんまり要求すんのもなんだなってたら自主的に
詠:散歩をし始めたらクリエイティヴな脳が活動しはじめる
散歩は良いよ
達:しかし今日はなかなか有意義な、4曲、4曲!
詠:4曲ぐらいはいつでも作るよ
達:何度も言ってますからね
今日はナイアガラーの皆さん、随喜の涙
今日はもう眠れない!
詠:今年は4曲ぐらい作るんじゃないかな
作りゃいいんだろ
達:ィえー?作れんのかなー
とか、これが否定的反語型
作らない方がいいんじゃないですか
詠:昔あんた、作れない方に賭けたって言うじゃないか
5年前
やめとこうか
達:ダメですよ
新春放談もいよいよ来年で20年なんです
詠:時間守らないとね、考えますよ
達:不可抗力だからしょうがないですよ
今日は事故で遅れました
詠:20周年記念なんかやりましょうよ
スタジオライヴ
達:ああ良いですね!またエヴァリー
あれから20年ですからね
あっという間ですね
今年はもうちょっとメールをたくさん差し上げて
穴の空いた分を埋めたいと思います
詠:レコーディングやるんでしょ
達:やりましょう!
今年は師匠、よろしくお願いいたします

恋するふたりは1月末に取り掛かって
Something stupid 恋のひとこと、恋するふたり、
恋するふたりストリングスver
恋のナックルボール・前田幸長ver
https://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/c1096801013e904deff24250c2ea6445

発表したのはこの「恋の」4曲に
イーチタイムのボーナストラックで恋のナックルボール1st ver
非売品イスタンブールマンボは2017年に商品化



今年の曲の大半は、《カヴァー》でした。
『大滝詠一ソングブック』、作品集のありかたとは。
カヴァーされ、再評価され、トリビュートされ、古典化される。

でも印象に残ったのは、
セルフカヴァーはいや。
提供曲は自分でやりたくない。
仮歌なんて世に出したくなかった。

この辺りが記憶にあったんで、2016年のデビューアゲンの時、
旧知のスタッフがスタジオの整理をしていて偶然みつけた、、、
わたしが、これを激しく嫌悪、拒絶したのは、大瀧さんご自身の
本意じゃなかったからなんです。
どっかで「生きてるうちは出さない」っていうのも聞いた事は
あります。でも、「死んだら出していい」と言ってたのか?
達郎さんが今年のツアーでナイアガラーに苦言を呈したとか。
この形見商法に飛びつくファンを暗に諭したんでしょうか。







ウララカ−インマイルーム