2010
「見えすぎちゃって困るーマスプロ」は一年前の
「ゴーゴーナイアガラ・ベストセレクション」をスポンサードしてて
記憶に新しいです。今は4K8Kの受信機器を販売して
るんですね。
今回は大瀧さんの「見えすぎちゃって困る」
「分かっちゃう不幸」が数回出て来ます。
第1週
達:ママパパmamas and papas の1枚目
ダンヒルを何も持ってない、コレクション無いの
詠:完全に我々と山下くんの世代と違うのは
アルバム世代なんだよね
我々はシングル世代
やっぱり330円と1500円だからね
どれを買うかって大変な問題だった
達:シングルの方が買いやすいから
詠:曲で憶えてる、塊で憶えてるんじゃなくて
個別に憶えてる事になるようにな気がする
達:エルヴィスは当時から全部聴いてたんでしょ
詠:みんな(友達)のを集めて
中2中3、62〜63年にかけて出ている物は全部聴きました
達:僕ね今回新春放談で大瀧さんに聞いて欲しかった
のは(笑)
ようやく僕、SUNまで来たんですよ
これの良さがようやく分かって来た
この歳になって
このSUNの何十曲あるやつって、意識って
詠: RCA時代とSUN時代と
分けて聴いたことはない
だってアルバムに中に入ってたんだもの
どれがどれだか分かんなかった
Heartbreak Hotel、Don't Be Cruel
の後に聴いてるわけですよ
アルバムの中の曲として
達:これはRCAが買ったんですか
詠:買ったみたいね
達:それでこれってドラムが無いんですね
詠:無いっちゃないんだよ
DJフォンタナが入ったってのは革命的な事だったんだよ
スタジオのマイクのレヴェルが振り切った
ナッシュヴィルのエンジニアの最大の悩みだった
カントリーもだんだんロックになって行く
エヴァリーとかロイ・オービソンの前に
エルヴィスが持ち込んだわけです
グランドオールオプリでDJフォンタナが敲いて
うるさいって言われたらしい
達:ようやくここまでね
最近これとフランク・シナトラ
50何年かかってイタロアメリカンがね
詠:シナトラは難しいからね
達:この人すごいですね
バリトンだから現代的なプッシュじゃなく
もっと情念というのかな
詠:シナトラのショーに出たんだよね、エルヴィスが
持ち歌の交換やって
Fame and fortune とWhich craft かな
達: SUNのセッションがRCAのカタログの中に混在するので
何がどうなってるのか分からなかったんだけど
ちゃんと時系列に聴いて行くとだんだんなるほど
大瀧さんのよくおっしゃってる事が
Bluemoon of Kentuckyのアレンジメントの
事がよく分かって来た
詠:最初は普通にビル・モンローふうに歌ってる
だんだんあのアレンジになって崩していく
達:途中でやめてこんなんじゃ駄目だって
あれアピールなんでしょう
詠:自分のスタイルで始めちゃう
あれがロックの誕生なんだよね
とりあえず定型をやるんだよね
そこから自己流に突然なる、あの変わり身
それっていつの時代でも必ずあるはずだなって
達:それをやりたかった
詠:自然に
達:やったらそうなった?
詠:ナチュラルボーンなんだよ
この人の歌は全部ナチュラルボーンなんだよね
達:ポピュラーミュージックにしろ文化ってごく数人の
突出した人が作ってるんですね
詠:何人かのイノヴェイター、あとはみんなフォロワー
王と長嶋が居なかったら日本の野球はここまでにならなかった
のだよ
達:Bill PutnamがUREI のリミッターとか作った
本当に数人の人が60年代のミキシングのノウハウ作って
行った
詠:ブルームーン〜キポーンシャイニーン
普通に歌ってるとこから
ブームンッ
となるとところ
あれが0から1の変わり身
ああいう瞬間に立ち会えたら幸せ
宇宙なんてひょっとしたらね
ビッグバン説もあるけどあの0から1になる瞬間
が一番楽しい
それが出ちゃえば後はオオゾロだよ、ノベタン
達:突然変異なんですね
詠:瞬間的に磁場が逆転する
達:その後には同じもの出てこない、不思議ですね
詠:それをハーモニーにしたビートルズ
ダンスをつけたマイケル・ジャクソンとか
その時々のものはあるけどね
アメリカンポップス伝でここのところをドラマティックに
脚色・構成していただきました。
詠:金子マリさんと初めて会ったのよ
打ち上げでついこの間
「悲しき」ついてるタイトルをいろいろやってて
ロルフ・ハリスの悲しきカンガルー
B面がSun ariseって歌なんだけど
歌い出したら一緒に歌った
あ、B面知ってる!
そういう世代なんだよ
本当にリアルタイムかどうかの
踏み絵のような物はB面が歌えるかどうか
我々世代は踏み絵なんだよ
達:昔はシングルと言えども高額嗜好品だったから
B面まで全部聴いて、それを吸い尽くそうと
好きになろうと、せっかく買ったんだから
詠:どうでもいいような曲を山のように、
どういう意味があるのか
This boy が分かるまでずいぶん時間がかかった
Ask me why とl‘ll get you
シングルのB面をA面よりも聴いたかもしれない
というくらいなんですね

達:相変わらず広範に映画をご覧になってるんですか
詠:不思議な事にああいう研究発表すると
ひと熱さめるんだね。いつものことなんだよ
ちょうど3年なんだよ、どうしてなんだろうな
達:次のジャンルは何かあるんですか
詠:またスタジオですね
達:レコーディングスタジオですか
詠:リマスタリングスタジオ
福生スタジオの75年当時のものを再現しようと思って
少しずつ
JBLの43ケーエー20ケーエーを買って
あの頃出ていた音を再び出そうと
ほぼ8割がた、頑張ってやるようになって来て
これからリマスタリングスタジオとして非常に楽しみ
ようやくリマスタリングエンジニアの一歩を
これから踏み出そうかな
今までずいぶん出してるんだけど
申し訳ないですが今まで出してるのはぜんぶ習作でございまして
ナイアガラレーベルの物はすべからくデモテープだと言われてた
時代があるけど
達:大瀧さんがリマスタリングエンジニアって面白いな
達:いよいよ今年は30周年で321ですか
(ガサゴソ…)
詠:これはまだなんですよ
ロングバケーションは来年
録音を始めたのは30年前なんだけど
発売は来年なんですよ
81年321。当初は80年728だったんだけど
達:今年は出し物は何なんですか
詠:作品集
達:人に書いた曲の
詠:ちょうど20年目ですか、19年目なんだけど
ちょっと端折って
作品集をリマスターして
ソニーの方からも僕が集めた物以外の物を集める予定だそうで
達:オリジナルアナログテープからマスタリングするんですか
それを何に起こすんですか
詠:プロツールスみたいな物のDAW
ソニックソリューションはもうやめて
ソニックの時代がいちばん苦しかったですね
今はほんと良くなりました、どれを使ってもいいんじゃないですか
達:サンプリングレートはどれぐらいで取ってるんですか
詠: 16-44で最初から最後まで
すいませんね
達:いや、それで良いんですよ
192なんて駄目ですよ
詠:僕は昔から16-44以外だめなんですよ
達:なるほどね、よく分かりますよ
大瀧さんのダイナミックレンジならそれで十分だと思います
詠:毎日アナログ聴いてるから
それと同等の音がなかなか出ないんだけれども
同等の出たらそれでよいと考えているんです、けど
詠: 82年にCD第一号DH-1の時にアナログのゼロVUという
基準信号を
-20dbで録ったんですよね
91年に選書版が-16dbで
2001年の20周年盤は-12db
だから-20、-16、-12、とロングバケーションの3つ出てる
アルバムはその時のデジタルの進化の具合
はっぴいえんども1枚目は4チャンネル、風街ろまんは8チャンネル
3枚目は16チャンネル
どういうわけだか、その時々のハードの変遷のあれにぶつかる
達:運命でしょうね
詠:つくづくリマスターやりながら思いましたけどね
達: 10年単位で出してるからそのぐらいのスパンで
変わってるって事ですよね
詠: 16-44でアナログで良いだろうとずっと思ってます
何もしない事がとにかくいちばん良いんだろうと
達:現実的に技術者の言ってることは
192とか96でやってもまだデジアナのプロセッシングが
追いつかないから、それで音が変わっちゃう
44.1とか48ぐらいで収めておく方がマシンパワーが上手く
音に反映してくれる
低い方が音楽的には健全だという事なんだけど
「そうじゃない」という人もいるから
詠:最近毎日VU見て暮らしてるんだよ
VU計の振れがとにかく音楽的なんだね
ああそうだったのか
むかし福生に針のピークメーターあったの知ってる
お城の横に
アアタ見てて、すっごいお城の動きして
こんなの見たことない!って言ったの憶えてる
お城?観光お土産のミニチュア?
達:じゃDSDとか映像だったらブルーレイとかあんまり興味ない
でしょ
詠:全く興味ない、どっかの時点からそういう種類の物は
とにかくね、作るのから解放されたらこんなに楽しい事はない
音楽は
音楽は楽しいよ、聴いてる分には
達:日常的には何聴いてらっしゃるんですか
詠:リマスター
達:自分の
詠:世の中の
達:具体的にソースはどんな
詠:オールディーズですよ
達:例えば
詠: ACEレコードが多いです
ACEから出てる物はもうなんでも聴いてます
達:ボブ・ディランのラジオショーはすごく面白い
詠:そんなのあんの
達:それをACEが出してる、今年VOL.2が出た
詠:エ?
昔のライノのような感じがする
達:イギリスの方が権利の許諾が下りるからでしょう
詠: ACEは好きなエンジニアが3人いるんですよ
今回どうしてるのかなって感じで聴いてます
達:あれは無理のないマスタリングですね
詠:前スタックスとかアトランティックやってた、ビル、、、
達: Bill Inglot
詠:の流れの中の一環だと捉えてます
マスタリングは面白いですよ
達:マスタリングってものすごいその人のキャラクター出ます
からね
全く同じ機材使っても違う音になります
僕ずっと同じエンジニアでやってますけど
機材変えると同じ人でも変わりますし
同じ機材でも人が変わると…難しいです
詠:そういう意味合いでは久々に聴き慣れた音楽ですけど
音楽を聴いてますね
達:これからマスタリングは変わるんですね
詠:変わるというか変わらないっていうか
何もしない事が理想だから
どうやっていろんな事をやって
何もしないっていう状態になるのかっていう
基本的に気のせいの範疇なんだ
気のせいなんだけど
気になる人と
ならない人がいるだけの事なんだよ
達:気になるんでしょ
詠:嫌だね、ほんとにやだ
不幸だと思うことは少ないんだけど
これは不幸だと思うな
分かってしまことは不幸なんだよね
達:見えちゃう、聞こえちゃう
大体だけど前からそうだったじゃないですか、オーディオが
詠:あなたはオーディオマニア
僕はオーディオマニアじゃないよ
達:僕はオーディオマニアじゃないですよ、ぜんぜん
今は4343
詠: 4331
小鐵さんとこ行って影響されて
達: 3ウェイですか
詠: 2ウェイです
僕は駄目なんだよ3ウェイになったら分かんなくなる
モノで1個でも良いんだけどね
達:僕このごろ家でラジオのチェックはモノです
詠:それでこの前、逆走のステレオかけた時バレたんだ
そんなことして聴いてる人はいないんだ
達:だってステレオで聴くとFMって音悪いんだもの
詠:おっと、いいのか、そんな事言って
FMはステレオが売りだったんじゃないの
達:絶対モノの方が良い音してます
詠:前に言いましたっけ、深夜便
FMでも聞けますという4時台は
モノのスピーカーで聞いてる話と
ステレオのFMで聞いてる話と
話は絶対AMの方が良いんだよ
音楽はFMの方が良いのかもしれないですよ
とりあえずこう言っとかないとカットされちゃうから
、良いのかもしれないけど
おんなじ物が聞けるでしょう
聞くと印象違うんです
達:なるほどね
詠:同じ放送を切り替えて聞いてみて自分がどう感じるか
それはAMで育ったオヤジのノスタルジーだ
とか一朝に言えないようなものが
達:絶対違いますよ、コンプレッションが違う
詠:いや、伝わり方が違う
みんなそうやって聞いた事がないから
初めて聞いた人でもぜったい判ると思う
達:ナローの方がきっと良いんでしょうね
詠:ブロードかナローかっていう問題からいくと
そういう事になるんだろうね
達:この何十年でHIFI、ハイファイって追いすぎたんでしょうね
詠:来年ぐらいからそこそこ原音再生ができると思いますよ
達:ナイアガラムーンが2015年に40周年
詠:さすがに40周年はやめるんです
30周年記念事業で終わり
ナイアガラムーンのリマスターは再び行われますが
ナイアガラボックスに全ナイアガラの物を
最後にリマスターして、これが原音でございっていう事で
それでアーカイヴにして終わろうと
後はどうにか配信でも何でもいいからしてちょうだい
30周年記念事業で音楽は終わりです、私
イーチタイム30周年で2014年でとりあえず今までの物は
終わる予定でございます
達:ソングスは2度出てボーナストラックが違うから
別ディスクにして2枚組でどう
詠:ナイアガラボックスに入るのはオリジナルのまま
虚飾のない物、全部まとめて廉価にしますから
いかがでしょう
そうすると以前の物はコレクターズアイテムになります
こういう事でいかがでしょう
達:ナイアガラらしいというか大瀧さんらしいというか
お望みのままに
じゃ、公式に発売されたフォームで
ブラックボックスとかそういうのはもう無いと
詠:いや全部まとめて入れちゃおうかなって考えてます
まだ未定ですけど
達:ミックスが違ったりするじゃないですか
CDブックってナイアガラカレンダーが
詠:2ヴァージョンあるのは2つ入れます
公式に発売された
オリジナルと2つ入れます
達:シングルはどうすんですか
青空のようにとかシングルヴァージョンだけのやつ
詠:それはまたちょっと考え中
達:シングルコレクションにします?
詠:大して無いんだけど曲が
急死された、と思われていますが、計画には忠実に
準備はずいぶん周到にされていたんですね。
達:まだ当分ありますね
あと6年後
詠: 2010年代もなんとか生き延びなければいけない
達:何言ってんの…っんとにしょうがない
詠:でも最近、30代ぐらいの方なんだけど
カヴァーをよくやってくれた人なんかと話す機会が
あったんだけど
ロングバケーションとカレンダーの区別がないんです
以前は出た頃に、これはなんだとか
ファンを止めようとか、これでお終いだとか
極端な評価で、完全に評価が分かれた物が
今は受け取ってる人は並列で受け取っている感覚
達:時代のフィルターに試練に勝ったって事じゃないですか
詠:それは非常にうれしい事なんですよね
カレンダーとかあまり言われなかったから、当時
達:だいたい、でも文化ってそういうもんじゃないですか
それが出た時の酷評はけっきょく洗い流されて
耐える物は残るし耐えない物は駄目だから
モネの「睡蓮の部屋」
パリのオランジュリー美術館の
360度睡蓮の絵の部屋があるんですね
それを作った時の評論家の酷評っていう物を最近読んで
こんなに罵倒されたものなのか
僕そこ好きな部屋で 、1回しか行った事ありませんけど
素晴らしい作品だと思うんだけど
これ以上無いっていう罵倒なんですね
そういうのって昔かある
例えば山中貞雄の一連の作品も当時の朝日新聞で
彼には思想がないっつって
戦前ですから傾向映画の全盛期じゃないですか
小津さんなんかでもそうだし
その時にそういうのはあるけど
結局やっぱり作品の力がそれを凌駕していく
達:カルトじゃないですか
詠:ある意味ではね
達:大瀧さんのあの時代のアレはね
いかなる意味でもサブカルチャー
だけど音楽の内容は本来メインストリームに置かれてきた
スタイルを踏襲した物なんだけど
表現スタンスがカルトだから
そこのギャップが誤解になったり
聞いてる人が違和感を覚えたんですよきっと
そういう物が違う時代に残ってきたから
純粋にっていうか審美的になって
詠:ナイアガラ音頭の違和感ってあったでしょ
あのタイプの違和感の正体は
いったい何なんだろうか
本人が作ってしまってから考えてたりしたんですよ
あの体の違和感って現在どうなっているのか
興味があるんですよ
達:それを商業的に展開すればperfume
みたいになるんじゃないんですか
詠: perfumeがもう、、、
香水の種類じゃないよね
達:大瀧さん、作った時は
自分ではエスプリとか
詠:まえ言った通りリクエストだからハガキの
作ったらどうかって言うから乗ってみただけ
作ってみたら
たまたまのルーファスというR&Bバンドとカップリングの
シングルを宣伝盤に作ったという事もあり
ディスコでプロモーションが行われたという事もあり
見に行ったマネージャーが
全員かかった途端に踊るのをやめた
という証言もあり
勇気のある人はドジョウスクイを踊りはじめたという証言もあり
その時に立ち止まった人たちの違和感
という物の正体はいったい何だったのか
という事と
その違和感なる物は現在、時代が30年以上過ぎて
いったいどこへ行っているのか
在るのか無いのか
形が変貌して存在するのか
あるいは完全に雲散霧消したのか
すごく興味があるんだけれど
マツケンサンバが思い出されます。曲、宮川彬良
なんですね。
達:賛辞も罵倒もどの時代の鏡でしかないから
文化が残って行く事によって純化されて
審美主義的になって行く事って押し並べてあると思う
達:ビートルズにしてからが
詠:小汀利得は夢の島でやれ
武道の殿堂でやるとは何事か
正力さんはペートルズって
達:そういう物はもう全て洗い流されて異端になって
当時はビートルズを否定する事が王道だったんです
権威化っつったらいけないけど普遍化して来た
詠:ああいうタイプの人って少ないよね、探しても
達:政治家にいますよね、真正面で罵倒できる人
伝統を受け継いでいる人って
詠:亀井さんぐらいかなもうね、
石原さんなんかもそうなのかもしれないけど
少なくなったね
達:三輪さんとかだったら「ダメよ」って
年末鼎談ではアソーをdisってましたけど、
保守的正論と高慢な暴言とは別ですね。
詠:その新春放談だからね
達:時事放談から来たんですから
詠:900回なそうで
達:今日900回なんです
詠:何回出たんでしょう
達:新春放談って始めたのが26年前
詠:四半世紀越えた
昨日が今日で今日が明日だから
25年って言われてもね
達:大瀧さんまだ30代でしたから
詠:あの頃が限界、ちょうど終わりの時期だったんだよね
1984年正月、イーチタイム直前
いまだに最新アルバム
達:じゃボックス出すとして
シングルコレクションには恋するふたりも
詠:あんなもんもありましたね
2000年代に1曲あったって特筆すべき
90年代に2曲
2000年代に1曲
達:恋するふたりはB面ないの
詠:うんインスト、同じ曲
2曲、1曲だから
2010年代は無いよ、2、1、0
達:カウントダウンですか
詠: 90年代に頑張って2曲作っただもん
2000年代は2曲も出来なくなった
2010年代にはゼロって事を暗示してますよね
すでに
第2週
詠:山下くんは年間2枚ぐらいのペース、シングル
達: 1枚です
詠:出さなすぎじゃない
達:今年はアルバムを
詠:何年ぶり
達:五年ぶりです
詠:出さなすぎでしょう
僕みたいに25年26年、四半世紀出してないなら
話はわかりますよ
達:半端だって事ですね
出すんだったら毎年出せ
詠: 26年出さないでいるってのは置いといての世界だもの
僕はなんでも言えますよ
いないところから発言してるんだから
達:僕だって年間45本ぐらいライヴやって
カミさんのアルバム作って、自分のアルバム
作ってる時代あったんですから
詠:まだ若いじゃない
達:もう今年で57ですよ
詠:大して違わなかったんだね
達:この歳になると5つ違いなんて
大したことないんですよ
二十歳と25はずいぶん違いましたよね
こっちが中1の時にもう大学入っちゃうんだから
詠:その頃はね
毎年呼ばれてね同じ話ばかりして
申し訳ない
達:聞いてる人は分かんないけど聞いてるという
奇特な人も
詠:分かるように話をするとか分かりやすい話をするとか
できないんです
ずっと千本ノックやってるでしょ
映画1日6本とか
いちいち考えてる暇ないんだよ
終わったら次、終わったら次
やっぱりね、次はいいよ
達:だけどやっぱり音楽があらゆる文化の中で
いちばん力もってた時代に
大瀧さん生まれて育って音楽の力でミュージシャンに
なったわけだけど
もしそうじゃなかったら何になってたと思います
詠:怠けモンだから働いてはいないと思うよ
物書きかなあ
詠:文才は無い
絵はさらさら無いし
スポーツは駄目でしょう
取り柄は何も無いよ
達:イヴェントプランナーとか
発想がfar out な所がたくさんあるから
ユニークって言うかアイディアがすごく有るから
詠:日本はアイディアは評価しないからね
アイディアにお金払う国じゃないから
いる場所がなかった
たまたま音楽業界に拾われて良かったかなあ
って思ってますけどね
達:レッツオンドアゲンは
30周年は出さなかったんですか
詠:出しましたよ
出してないの
あそうなの、気がつかなかった
達:あれこそリマスターして聴きたい
詠:いいよ、出しますよ
達:あれは一種のペットサウンズですからね
他に全く替がきかない
まだ遅くないんじゃないですか
詠:ネットで発売するか
達: 321にこだわらなければ
詠:作品集しかやってないからな
年に2枚も出したら多すぎるかなと
1回出したときあったんだけれども
達:今カタログ生きてるんでしょ
詠:生きてますよ
まだ1500円だよね、あんな名盤
達: Help me Rhonda とスモーキンブギと
合わせるって
詠:煙が目にしみるを間に入れて
ちょっと小洒落てるっしょ
達:時の試練に耐えて、今あれしたらけっこう
もっと素直に行けるかも
詠: Help me Rhondaでハイサイおじさん
って歌った人がいたからね
沖縄音階にも通じるものが
達:偶然でしょうけどね
詠:音楽で遊ぶっていう事だったんです
達:そっかロンバケは来年なんだ
勇んで来たのに1曲1曲やろうと思って
詠:まともに聴いてもらったんですか
その話聞いてないよ
オリジナル・アナログ盤
達:ちゃんと聴いてますよ
詠:あん時いちばん忙しい時期じゃない
達:だけど僕ほら郵便貯金も行きましたしね
もともとライヴ好きじゃないから
詠:嫌いなんだよ
人前出るのが嫌なんだよ
高校1年の時に人前に出る時代は終わってる
ジャンバルジャンで
小学校1年から高校1年まで学芸会だけれども
人前で脚光を浴びるというのは十分に味わった
達:サーライブですね
あの厚生年金のライヴは映像として残ってる
んでしょ
オフィシャルじゃないの
3カメか4カメじゃない
マスターは無いの、所在わかんないわけね
もったいない
詠:あってもしょうがないからな
達:でも歌の出来は良いですよ
詠:ついこないだ思い出したんだけど
恋するカレンって曲があるんだけど
出来てオケ作って
これはやったと思ったわけよ
オケの段階でこれは良い作品だって
まわりの顔色も違ったんだけど
いざ歌い出したら歌えなかったのよ
達:キーの設定?
詠:いや、難しくて
自分で入れた最初の得点が20点
頑張って何日も頑張って40点しか出ない
オクラにしようと思った、あんまり酷いから
ある時たまたま60点だったんだけど
ああ、この程度かあ
今にして思えばお前はどれだけ欲深いのか
という事なんだけど
自分の中ではもうちょっと歌えると思ってたし
もうちょっと良い作品になって
もっと出来るはずなんだって思いはいつもある
6割ぐらいの所でしょうがなく出してる、どれも
達:それは押し並べて全作品についてそういう
やっぱり自己評価が厳しいんですよ
大瀧さんはシンガーの歌の組み立てに厳しいから
人に対しても厳しいじゃないですか
詠:人には厳しくないと思うよ
達:口で言うとかそう言う意味じゃなくて
これはアレだな
ここの所はこういうんじゃないかな
思ってるに決まってるんだから
詠:言わないだけで?参ったな
達:この26年間コンスタントに作り続けてると
落とし所が分かって来たりしたんじゃないですか
歌の
詠:宮沢賢治は春と修羅以外は
発表する予定なく書いてて死後に出た物じゃない
例えば毎回1作ずつ、今度はアレだな
前のに比べてこうだなって
言われてたら他の詩作にも影響したんじゃないか
70年台のナイアガラって
福生スタジオで作ってる時はそれに近い物だった
こうやれば売れるとか売れないとか
こうやれば喜ぶとか喜ばないとか
じゃなく誰にも求められてないにも関わらず
作んなきゃいけなかったという事だからこそ
そうなったんだろうけれども
達:だって若かったですもん
詠:こういう物を作ってくれと言われる状態になると
非常に辛い。プロの人は大変だな
制約があるやつはダメ
基本的にはわがままなんだけど
人から命令されるのが嫌なんだろうね
端からその人のイメージがある物は
一番駄目だね
達:座付きはできない
「カレン」タイプで1曲、「天然色」タイプで1曲、
という発注は。
詠:自分でも何が出るか分かんないのじゃないと
今回も誰が好き好んで成瀬巳喜男の研究してくれって
頼まれたわけじゃなくて
たまたまそのテーマに
たまたま通りがかったらぶち当たってしまって
その瞬間involveされただけなんだよ
誰の手本にもなり得ないんだよね
後輩の人にアドヴァイスとか出来ないんです
達:大瀧さんの場合は
一般的な学習のセオリーが通用しない思考法ですよね
学校で教える学習とか音楽学校で基礎をやってとか
詠:僕はつくづく思ったけど
第1項第1章を飛ばす人間だと最近気がついたんです
あんだけ細かい事を知ってんのに何で
根源的なこれを知らないんだって
99%分かった時に初めて第1項第1章を読むと
分かるんだよね
第1項第1章って99%分かってから読むもんじゃないのかな
達:レイブンズ、オリオールズ
から聴き始めてもちっとも面白くない
ドゥワップがよく理解できてから聴くと
詠:あなたのSUNミュージックの分かり方がいちばん正しい
達:最初に戻りましたね
詠:飛ばさないとなかなか入れないし
入らない人もいるんだよ
食わず嫌いは第1項第1章が難しくて
門前払いされたような気がして入んない
そういう人に言いたいのは
第1項第1章なんて飛ばしていい物なんだよ
第2項でも第4項でも入ってしまって
第10章まで行くと
何か1%の欠落感を覚えるんだよ
99まで行くと必ず誰でも気になる
その1%がどこにあるかっていうと
第1項第1章にあるんだよ
チャンチャンなんだよ
振り出しに戻るナイアガラ双六なんだよ
今回は序盤が退屈で難解だったかもしれません。
達:福生スタジオをまた
詠:初期の段階に戻して
達:いちばん最初ってぜんぶ木だったじゃないですか
あれは大瀧さんの意思だったんですか
詠:たまたま
達:それもたまたま
あれを作る時にはサジェストしてくれた人はいるんですか
詠:誰もいないよ
達:木の材質とか
詠:カナダからの輸入材だったらしい
達:モデルケースとかも
詠:なんにもないね
達: Live にしようかdead にしようか
詠:全然考えてない
あったとすりゃリー・マイケルズの個人スタジオ
山小屋みたいなやつ、ジャケットにあったじゃない
でも前だったかな、後だったかな


とりあえず防音という意味合いで
鉄筋打つにはお金ないからさ
ただドンドンドンドン板うっただけだよ
ご承知の通りでしょう
すべからくたまたまじゃないですか
私の人生なんてみんな
達:あの広さが良かったんですね、今から考えれば
回り込みでね
詠:結果的にね
ゴールドスターもそうだったらしい
本当は広い所でやりたかったわけでしょ
どっか不自由な所を工夫するっていうのが
オリジナリティーの根源なんじゃないのかな
達:スタックスのJim Stewartだって
ほとんど素人
詠:あれ映画館
達:映画館を改造して
詠:SUNスタジオだってほんとにちょっとした
写真スタジオ改造した程度の
達:どこ行っても全部そうですもんね
そういうのが歴史に残る音を作った
詠:キャピトルだとかデカいスタジオの音と
インディーズのスタジオの音は基本的に違う
達:本質的にね
それがキャラクターになってる
じゃ、リマスタリング専用に特化して
今回は構築してるんですか
リズム録るとかは
詠:一切、一切ないです
達:広さは
詠:前と大差ないです
おんなじ場所に建てたんだから
達:見てみたい
詠:遊びに来てください
達:最近しばらく伺ってないから
詠:ちゃんと聖霊は残ってるというふうに僕は感じてる
福生スタジオの
けっきょく場所を動かなかったからね
達:そうか地霊があるもんね
いよいよ40年近い
72年に越されたんですね
詠:引越しは73年の1月
怠惰のなせる技ですね
引越しが面倒くさい
ずいぶん探したんですけどね
他の場所も、他なんか無いかなってんで
達:そうなんだ
詠:結果的にやっぱり面倒
達:そんだけ長く住んじゃうとやっぱり
動くっつったってひと財産あるから
詠:ものが多すぎてね
そのくせ何もない部屋が良いなんて
部屋は何にもないのが良いね
達:聞きたくないなそんな台詞。出来もしないのに
大瀧さん、それほど物欲があるとも思えない
詠:たしかに無いんですよね
達:いちおう持ってないと比較ができないから
詠:まあね、買っちゃうんですね
新製品をついつい、それは相変わらず
達:来年は
詠:来年はロングバケーション30 周年を
華々しく飾ろうと
達:この間トリビュート物があったから今年かと
来年やりゃいいのに
詠:勘違いしたのかね
新春放談1回目の当時のNHKのプロデューサーの方です
からね企画したのが
アルバムのカヴァーっていう概念が無いから
達:賛否両論ですよね
詠:「大滝詠一ロングバケーションカヴァーコンサート」
もんの凄く長ーくなるでしょ
どう切ったかって言うと
「大滝詠一カヴァーコンサート」なんだよね
女房に電話かかってきて
「コンサートやるんですって、チケットちょうだい」
結局そういう話になっちゃうでしょ
達:大瀧さんが第三者の曲を歌うとか
詠:新聞に出たらそう取るなって方が難しいでしょ
そうすると大瀧は出るのかでないのかって事になるでしょ
そうすると聞かれてもいないのに「出ません」
パチン!(手を打つ)
って書くしかないッ


何でだんだんそういうふうになって行くのか
だから僕はね
明智光秀の心がよく分かったね
うっかり神輿に乗っかってると
知らない間に違う所に神輿が置かれているのだよ
神輿に乗っかるというのは良くない事なんだよね
達:大瀧詠一という人を現代の日本の商業性に
乗っけようとするとすごく大変、
説明するのに長いアレが
詠:人見明の長いはーなーしーがー
達:ネタが古すぎる
詠:たいてい日本のインタヴューアは一言お願いします
なぜかヒトコトしか聞かないんだよ
一言が好きな国民だね
達:コピーライト文化ですね
詠:俳句文化なんじゃないかな
達:仏もまた塵
詠:の割には祝辞が長い
ど頭に枕詞を持ってくると長くなる
長くなるから「置いといて」っていうのがあるんだな
大変だったですよ、何もしてないのに
達:お疲れ様でした
ライヴは
詠:観には行きました。呼ばれたから
達:ステージには
詠:もちろん僕のコンサートじゃないから
達:ね…でも「出ろ」って
詠:「出ません」って書いてあるんだから
達:ああそうか
詠:あんな所でのこのこ出て行ったら
それまでやってた人の後あじ消しちゃうからね
僕はそういうの嫌なんですよ
これがね、ごまのはえと布谷文夫とシュガーベイブが
再結成したら
これは出て行きますよ
お前は出て行かなくていいって言われても
出て行くよ
達:今ねレパートリー増強してるんです
新しいメンバーでシュガーベイブもかなりやれるようになった
また次はやります
詠:シュガーベイブ・コンサート、年に一回あっても
いいんじゃないの
達:みんなね、やりたいって言うと
「ウウ…」って言うんですよね、スタッフ
詠:「ウウ…」って?
達:何だか知んないけど
シュガーベイブturboって付けて夏フェスにって
思ったんだけど
詠:若いミュージシャンは演奏したがるんじゃない
歴史的な名曲を演奏できて
達:この間ダウンタウンの譜面を再検証したんですよ
オリジナルヴァージョンに近づけようと思って
微妙に変わっていくんですよ、何年もやってると
手クセとかそういうのでツメ方がいい加減になってきて
今回ちゃんとリズムのポイントとか全部キチッと
ドラムが若くなったこともあって
ちょっとシュガーベイブに近づいた
今までで一番シュガーベイブに近いって
ターボーが言ってくれた
詠:レコーディングが野口がドラムだって
びっくりする人もいるから
シュガーベイブはまだまだ広めなければいけない
義務があるんじゃないですか
ソングスをいちばん聴いてるのは僕だからね
言っとくけど
回数から言ったらもう、全部を
聴かざるを得ないという立場にもあったんだけど
なんか自分のアルバムのつもり
詠:あと2年、3年したら、そこそこリマスターエンジニアとして
行けるんじゃないかと
達:オールディーズに特化した人って日本にいないから
詠: ACEの僕の好きな3人はオールディーズのみ
オリジナルのレコード聴きながらこうやったか
ああやったか、と彼らがどういうふうにやってるか
達:新譜に寄っちゃうからちょっと違うんです
ああいう人がやっぱり必要です
リマスタリングって大瀧さんに合ってるかな
30何年のオーディオの経験が
詠:ああ、そうだね
達:歳を取ると野球選手が監督になるように
スタジオエンジニアがマスタリングやるひと多いんですよ
デイヴハーシーガーとか
ボブノールバーグ
詠:究極の位置なんだ、実は
黒澤明が編集したり
成瀬巳喜男も自分でハサミ持った
編集って最後の位置。いちばん楽しい
達:人材を厳選しないと
詠:最後の出口だからね
やってて楽しいのはそこだね
作るとなるとさ、そこまでが長いじゃない
あれが苦労なんだよ
達:全くそういうのに無頓着な人は幸せ
詠:幸せだよね
分かってしまう不幸
努力して分かったんじゃないんだよ
分かっちゃうんだよ
ほんとに嫌だね
だからその不幸を抱えたくないと
作らないでおきゃ不幸を抱える事がないなあ
っていう事なんだよねー、どう?
君は全く僕と違う人生だから
頑張ってやってもらわないと
達:私は音楽しか脳がないもので、すいません
これしかやれる事がない
詠:コンサートをまた今年は
達:今年は30
詠:年に12ヶ月あるんだから
月に3回はやるとして36ヶ所ぐらいは
最低でも毎年これからやってもらはないと
困るなあ
達:人にはなんでも言える
詠:楽しいでしょ?ライヴ好きじゃん、前から
達:ライヴから始めた人間ですからね
レコーディングよりライヴの方が楽です
レコーディングは無から有を生むから
やっぱり辛いっちゃ辛い
詠:ライヴが向いてんだよ
達:すいません
達:さっき大瀧さん、歌の話されたでしょ
どうしてもレコードがライヴの歌を超えられない
ていうのがディレンマなんです
ライヴで歌った歌の方が、絶対レコードの歌より良い
作って最初に歌うのがっていうのもありますけど
それをどうにかライヴのレヴェルまで上げられないか
なかなかね、雑念が入る
やっぱり場数かな、何回も歌った方が
詠:そうそうそう、先にステージでやるから
僕ら、春よ来いとかくれんぼと十二月は
抱きしめたいと空色のくれよんなんかも山のように
レコーディングする前にすごいライヴが多かった
もう歌い込んでたんだよね
達:演歌歌手の人って必ずリレコをしたがる
リリースするのが最初の歌じゃないですか
それはせいぜい、ひばりさんなんかでも1週間程度
それが2年、3年歌い込んで行くと
最初の歌が不満になってきて
けど、1stテイクが良いんですよね
詠:僕は演歌の人は最初の方がぜったい良いと思うんだよね
なんかね歌、超えちゃうんだよね
達:大瀧さん、歌い直した事あります
リリースした作品を
詠:あるんだろうか、無いんじゃないの
だいたい一回か二回しか歌ってないからね
ロンバケとイーチタイム以外は本当に
達:僕、一回うたい直そうとした事あるんです
一般に出てる既製の物は朝の5時に歌入れして
声は枯れてるしヘロヘロだから
ちゃんとした歌でって思ってやったんだけど
ぜんぜん超えられないんです、それ
その、かすれたヘロヘロの歌の方が情念が良いんです
きっちりやればやるほど、段々かけ離れて行く
歌って不思議ですね
詠:今の切り取りなのかな。…現在
今を切り取ってるから
念力があるらしいんだよ
念てね、今の心と書くらしいんだ
達:深いですね、なるほど
>それをどうにかライヴのレヴェルまで上げられないか
なかなかね、雑念が入る
>ちゃんとした歌でって思ってやったんだけど
ぜんぜん超えられないんです、それ
その、かすれたヘロヘロの歌の方が情念が良いんです
達郎さんが無意識に歌う「念」について話してる。
大瀧さんはその「念」が頭からあるので、それを見逃さない。
詠:その時は念力があったんだ、歌の力量よりも
今の心、その時の心、
もう今じゃないからさ、時間が経てしまえば
歌唱力が増してても念力が消えてるんだ
達:結局テクニックじゃない部分の方が大きいですから
詠:歌は念力を入れ込む物じゃないのかな
達:言霊とかいろんな表現で
詠:ライヴは今だから
達:ライヴはやり直せない
レコーディングはやり直せるから
切り替えて良い所取る
詠:初期の頃は直接ラッカー板に切るのもあるし
テープが高いとかで
ちょっとでもミスったら冷たい視線が行く
三橋さんと春日さんの頃だと
みんな一発録りで、そこまで仕上げて来て
オケも一緒だから、歌がどっかでトチると
昔のミュージシャンてうるさいから
オウッとか言う人もいるから
エンジニアも録音ボタン押してなかったら
もう大変な事になるっていう時期
それはほぼライヴなんだよ
今でしょ、今の切り取りだから
各々のヤツの念力が多いんだよ
まだ何度でもやれるって人は念力を使ってない
おそらく、今の心を使ってない
後でも出来るって
録画して見ないとかも、後の心だから
絶対にリアルタイムじゃないと
野球とかも夜中の2時に起きて
リアルタイムで見ない物はもう見ない事にしてる
そこで応援してる選手がホームラン打つと
自分の念力が通じたというふうに解釈して
念ずるんだよ
今でない時にはおそらく力が出ない
TVでエスパー清田君が
超能力が出るときと出ない時があるって
「あるって言えば在って、ないって言えば無いって感じですかね」
僕の考えとよく似てる
達:よく理解できます
詠:念力タイプの人の持つ実感なんじゃないのか
紙の文章、文字だとか言語とか
形而下的な物をみんなは受け取っていて
その背後にある念力の方が主であって
言ってる事、カタチだったりが主従関係の従なんだけれども
出て来るのが文字や音だったりするから
そっちを主だと思うけれども
本来その人が言おうとしいる事の
念力が主であって
神輿を担ぐほうの魂胆もバレバレの「念」ですが。
「念」は、思惑、衝動、ともすれば地面の下の見えない分母
でしょうか。
凡人には見えない。
見えないけど、在るかも、と心して見る事。
師匠のその教えは、分かっちゃうかもしれない、
という弟子の幸福です。
というふうに考えると物事が分かってくる
分かると不幸にもなるんだよ
形而下で動かされてた方が幸せな時も
けっこう多いのだなあ
達:見えちゃうと
詠:見えちゃって困るのよマスプロアンテナ
古いって言われるけど
ウララカ−インマイルーム 
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