新春放談クロニクル番外編
大瀧詠一的 2010 かねてから新春放談レヴューの番外編としてこちらの「大瀧詠一的」も 手をつけています。 何度か前置きでお伝えしています通り、いわゆる“文字起こし”で はありません。 新春放談の方は、大瀧さん、達郎さん双方の発言を対等に再生したい、 という趣旨があります。 こちらでは、そこまで総合的な再現を意図しておらず、残り3名の発言は、 思い切って取捨選択しています。 あくまでも、わたしのフィルターを通した会話の再生になっていますので、 ご了承お願いします。 この回の鼎談は、大瀧さんの「語り」の名調子がこれでもかと 披露されています。 本編にあるように、この時期の日本映画に関した研究発表は 一般公開されていません。 その理由として、作品の映像や画像が著作権で保護されている、 と説明されています。 が、このレポートのフォーマットはあくまでも語り、だと思います。 うちのようなtext化、さらには書籍化という形式にはしない、と いうのが大瀧詠一的なんですね。 語りの相手がある、レスポンスが同時に入る、そのリズム感、 その間(ま)をぜんぶ受け入れた総合的な話芸だ、とわたしは 思っています。 翌々年、「アメリカンポップス伝」制作についても述べられますが、 大瀧さんのこの「池部良ネタ」「築地、丸の内ネタ」「芸能記者ネタ」も 10分〜15分の台本があって、それをツギハギで組み立てて行く、 というような手法が見られます。 そしてその場の、その間に合わせて、合いの手を聞きながら、 自分のテンポを操って行く。 先日のまりやさんのインタヴューで、新春放談のあとの会食で 何度か聞く大瀧さんの話が楽しみだった。とても印象に残っている、 とありました。 たぶん、”何回もやった“「藤本真澄物語」「東宝vs松竹」も聞いている のではないでしょうか。 片岡義男氏らを前に成瀬巳喜男研究のPowerPoint的なプレゼンを した逸話もあります。 「決定稿をあえて提示しない」。 展開の意外さも知識量と共に構成力が大瀧さんの語りの真価 ですから、 ラジオ放送、音声ファイルというフォーマットが、より大瀧さんの意図 した形式に近い、のではないかと思います。 今回は、あえてこの前書きをして、文字起こしではない趣向で お送りしたいと思います。 平:今回はみんなに大瀧さんから宿題が 詠:お土産のつもりで 平:あのお土産は素晴らしい 詠:その本題からですか …… 平:これみんなから聞くな聞くなって言われてたんだけど 大瀧さんには、、 紅白歌合戦 詠:あそれね 内:大瀧さん怒るんじゃないかなあって 詠:なあに… それよりも、 どういうふうにしてみなさんが知る事になったのか 聞きたいんだよ 平:最初ツイッターに 詠:タイムラインだったら誰が先、この3人 平:僕ですよ 石:なんで分かるんだ 詠:君、だってぜんぶのタイムラインをずっと管理してるの 内:僕はアメリカの大和田くんから回って来た 平:あそう、、 詠:その人はなんで知った? 内:ナイアガラーです。慶応の英文学の 石:俺はねmixiの人が 平:あ、そう、、、 俺いちばん最後かもしれない 石:そうだよ、なんで、 内:何で堂々と俺が一番て 平:俺かなり早かったからさ (笑) 詠:どっから入ったかが重要なのよ 小津の景色を見た時に、ここはどこだろうと 現地がどこだを当てる事には興味はない どこだろうと考えてる過程に興味がある よりも なぜここを選んだんだろう、に興味がある なぜここを選んだんだろうかを解析する それがどこであってもいいのよ、もう だから、この話は 各々の人たちがどこからニュースソースを入れたか という事から始まらないと意味がない 皆さん、ことの真偽なのよ 出るのか出ないのか それは、この場所はどこかって話でしょ それさえ分かればいい 僕はどこでもいいの で、どこだろうと考える過程に興味があり なおかつ、なにゆえ彼はこの場所を提示したのだろうか という方に興味がある どこがソースなのか、から始めないと話は始まらない 内田さんの場合は人がいる mixiという媒体を信用している石川君がいる 平:僕はTwitterを見てリンクが貼ってあったんです ニュースページ 石: zakzakでしょ 詠: zakzakです、当たり タイムラインをぜんぶ整理すると zakzakが2番目なんです、3番目にYahooにも出たんです 内: 1番目は 詠: 1番目があるんです とあるページがある、個人の で、30分これから話が始まる 平:チョット待ってください、その前に 詠:トイレ? (爆笑) 内:人が、さあ話すって時に、平川は本当に腰を折る 詠:布谷さんもこのタイミングで来るんだよ 僕は何十年とああいう人と一緒だから 「いやーハンバーグ美味いんだよね」 ポンと出て来るんだよね 「環七の」 平:ということで 詠:何でしたっけ 話は芸能記者という所に立ち戻る 戦後の芸能記者は数多くいたけど 加藤康一、スキャンダルの昭和史 昔の映画スターとか歌手の事件、ゴシップは 本当に時代とリンクしている、ものすごく 次の世代で梨元、須藤、前田、宇津木 その辺が発信元になるわけど 全員が足で稼いているわけじゃない さらに名前の出てない記者たちも いろんな人を使って情報を集めてる 記事が売れた時代は で、年末の一番の大ネタが紅白ネタ 紅白じたいが人気がなくなっても 紅白ネタっていうのは常にあるわけ いろんな人たちがいたのよ 紅白ネタが得意な人たち 今年に限らず毎年ある それがあるって前提を頭に置かなきゃいけない 今回の話もその一環なわけさ 2のzakzakの記事はその孫引き 1番目の人は去年の矢沢のサプライズを公開した人 NHKはサプライズだから端から出せるわけない あえてどっかの地点を設けてリークした 情報とどう相対するかっていう話 出るか出ないかなんてどうでもいい話 そういうふうな視点で行くと 景色を当てられる つまりあすこがどこかなんて考えてるから 景色は当たらない この景色は何の意味か これを提出した、この景色をあえて映したこいつは 何の意図があってこれを映したのか っていう事まで行かないと 誰もわからない景色は当たらない 内:ここで大瀧さんの名前が出たのはどのような 欲望のかたちなんでしょうね 詠:書く事がなかったんだろうね 内:随分まことしやかに 石:佐野さんの 詠:そうそう、おっしゃる通り 端緒は佐野君の30周年 で、オリジンの原稿になった人は、それがメインで 一番ケツほうにチラッと zakzakはそっちがメインに書かれていて Yahooはその見出しだけみたいな事 末端はこの場所はどこかというすごく狭義なテーマとなって 延々と広まった 内:最初の原稿の最後の所に 30周年だからナイアガラトライアングル再結成 平:zakzakは、でも大瀧さん次第だけどって 詠:結局、「トライアングルはあるのか」と聞いたら NHKは「大瀧は無理だろう」という書き方があるでしょう 読ます人にどこに注目させるか 基本的に紅白ネタなんです それがわりあい近い大瀧とかいう名前が出て来たので 常に他の情報には冷静であるような人も メディアに対する冷徹なliteracy力が発揮されずに うっかりと尻馬に乗ってしまうという事例を 面白かったのは70年代から知ってる人と 80年代以降の人と大きく差が出た 80年代の人は生まれた時からベストテンがあって オリコン何位とか 生まれ落ちた時すでにあった人は、あるという前提でしか 物を考えられない、それが如実に出たね 能地がいちばん面白かったね 「大滝詠一のみラジオの紅白歌合戦には出場!」 さすがだよ 火のない所に煙を立てていかなければ 特に芸能ごとは 火のない所に煙おこすわけだから それを現実の政治とかにやられちゃうと困るけどね 芸能の手法みたいな物が国際政治に入ってはや何年という感じがしてる 昨今だよね 平:この話がこういう展開になるとは 詠:メディアのliteracyから景色をどうやって当てて行くか …… 2010年末のトレンドをまくらにして ![]() 平:小津安二郎の長屋紳士録という映画についての大瀧研究がじつは この1年間進んでいた 詠:いえいえ1週間です 3年前に成瀬研究をやった時に暁橋っていう橋があって 長屋紳士録の飯田蝶子というのだけはやってたんです 読んでない?あすこに載っかってるんです 小津に関してはそれだけだったんです。 それで長屋紳士録をまた再び 暁橋が出てくる前のシーンがあるんですよ そこが暁橋の隣の境橋だろうと思ってたんです、長い間 それにしてもどうも妙だな、疑問はあったんだけれど 小津は後回しだ 平:成瀬研究は何年もやってたんですか 詠: 3年かかりましたね、実際は2年半ぐらい 平:成瀬の時はまだMethodologyが確立してなかった 詠:僕の研究本はこの3人しか見てない訳ですけど 内:もっといるんじゃないですか 詠:今年また増えて25人になりました 平:僕の時が10人目でした 詠:終わったので小津に取り掛かろうと 端緒が暁橋の一つ前の橋が 隣にある境橋であるはずだと狙いをつけたのだが どうも違うとそれを探したら まあひょんな事で分かった わかったのでついでに他の橋も探してみようと そしたら1週間まるまる 成瀬を3年やってたのでけっこう探偵術、探偵力が かなり上がってたと思う 東京人を読んだ人は多少わかると思うんですけど 東京人は僕の研究の10%ぐらいなんですよね 今回の長屋紳士録も見ていただきたいんだけれども 版権の問題が大きいんです 内:だから公開できないんですね 詠:版権がものすごく大変なんです 内:切れないんですか、映画って50年じゃないの 詠:どっかが黒澤のを出して差し止めになった 公開すると違法になるんです、許諾を取らないと わたしも10年やって、最初見えないものにもさすがに気づくようになりました。 楽天ブログの方はおかげさまで毎日100回弱アクセスありますが、 静止画像について今のところノークレームです。 内:著作権って 大瀧さんの映画研究見た人はみんなこの映画観ようとDVD買う、著作権者の Benefitになると思うけど 詠:再評価されるから古典化して行く 小津に関しては山のように出てるから、出尽くしてるから 僕のような新参者がなんか語る隙間が無い、気もない訳 気もないところにポコッと来るんだね、どういう訳か 語ろうと思ってないからなのよ 詠:内田さんのブログの話で なんで成瀬が分かったかというと ある時期、成瀬になっちゃうんですよ、自分が 平:憑依しちゃう 詠:憑依って形容詞しか今のところ無いんだけど そういうオカルト的な物ではなく シンクロだと思うんだよ デジタルで言うとマスターとスレーブがあって それを同期させるシンクロっていうのがあるんだけど そこにズレが生じるのをjitter jitterをなるべく無くしてゼロにすれば完璧なシンクロ になる訳じゃない 各々が独立した存在でも完全にシンクロしちゃえば 完璧に同じように動く 憑依って言うと片方が居なくなって片方に憑くみたいな 雰囲気があるけど 自分が成瀬だと思っちゃう 自分がその場にいる訳 その時自分がどうしただろうかと考えることが イコール成瀬が考えている事になる それを小津に展開したのよ 内:良い話聞いたな、これで帰っちゃおう 詠:内田さんがブログで「相手になり切る事だ」と書いてて ああ、そう言う事なんだよなあと思ったんですよ そしたら意地悪な構図とか 誰も絶対一生分かんないアングルが何個かあるんだけど 内:オシッコ布団 詠:一番は笠智衆の月島じゃない背景の煙突の真っ暗の所 長屋紳士録の出だしの長屋の真っ暗なシーンが 切り返しと気付く人はまあいない キャプチャーして輝度を上げて行くと昼間のようになるんですね 平:リマスター版で観ても真っ暗闇で誰も注意を払わないだろう ![]() 詠:おそらく映画館で観ても薄ぼんやりという感じだと思う 2カットある、ここは長屋だよと知らしめてるだけの物 なんだけど実際はロケで、しかも切り返しなんだよ 真っ暗でだよ、切り返さなくてもいいだろ 平:ここに何かあるぞと思った? 詠:成瀬の時も夜間の物はぜんぶ輝度を上げて見てた 毎回やりますよ やったからこそあれだけ分かった 看板の小さな文字は巨大拡大して でも拡大すると画素が荒れて逆に見えなくなるので モニターのすごい綺麗なやつに天眼鏡で見るとか 超デジタルとアナログで 拡大し過ぎると見えないので引いて見てぼんやり見た方が 全体が分かるって時もある 内:昨日の夜観たんですよもう一度、今日お会いするので オシッコ布団のカットが変ですね 詠:出るたんびに風景が違う 内:パーっと観ててもなんか違和感が残ると思う 詠:でもあんなに位置を変えて撮っていたとまでははなかなか 内:運んだんですか 詠:運ぶんですよ 平:何で変えたんですか 詠:いろんな景色を入れたかったんじゃないですか 内:一個まるまる隠してる所も 詠:あります 内:そう言われてみると、なんかこの布団の後ろにありそうだと 多分そういう無意識的な効果を なんか変、さっきと違う 微妙な不安を与えるためにああいうカットを 詠:思わせぶりと実際に本当に隠しているのと両方ある 単に思わせぶりじゃないのよ、あの人の場合 本当に隠してる 石:じゃ、あの角度で隠れるポイントを探すんですか 詠:僕がですか。そうです 最初に見た時に、隠してんな、とまず思うわけ、全部 結果無くてもいいから あの人の構図の場合は 成瀬さんはしないんです 小津さんはやるんです とにかく何か隠してるだろうと端から行く 「ナニ隠してんだッ」 内:産婆なんていうのも 詠:産婆は書いて持って行ったんですよ 内:セット臭い 詠:セット臭いでしょ、みんなセットだって言ってた でも後ろが完全に清水建設の焼けただれたビル みんなは手前に建てたのかって ところがあすこは建設会社が掘建て小屋建てた そこを利用した あの時代あの時にあった 屋根にかかってるように見えるでしょ 産婆だけ持ってって地面から立てた 人ンチの屋根に上がっては立てないんです あの人それが得意なんです もっとすごいのは 僕が今回発見したんですよ 築地病院が映るカットが、麦秋か、、何かにあるんですよ それが手前の河庄とか料亭の路地から抜いてるワンカットが そこに人力車が止まってる 向こうに築地病院があって旗が翻っている でもどう調べても築地病院に日の丸がある写真が見つけられない よーくジッと見てたら人力車の上に小さな旗を それがちょうど築地病院の塔の上に来る位置に置いてある 笑うでしょう やってんのよ そういうのはミニチュアでよくやるんです やるとは言ってたけど現地であそこまでやるとはさすがだなと 「麦秋か何か、、」のリサーチのためだけに何本も見てるんですが 見つかりませんでした。(2022.4.4 発見) 内:街灯も驚いた 詠:早春の丸の内の街灯はあすこにある物と思ってました? おかしいと思った? 内:ずっと思ってました 詠:思うんだよね誰でも 内:街灯が灯るシーンがいろんな映画に出てくる みんなおんなじ 詠:まん丸い、丸の内にありそうもない 内:手塚治虫のヒョウタンツギみたいな 詠:全く在り方がヒョウタンツギだよね 内:あれ小津のサインですよね 平:絵としての構図なのかな 内:それはあるけど遊び心もあるんじゃないかな 詠:遊び心が基本で 川又昂さんに伺ったところによると 常に何種類かの街灯を持って歩いた、と 川又さんの前で 僕はだから全部を研究して例によって発表したわけです 厚田さんのキャメラ助手を全部やられた 長屋紳士録も付いてた人です 平:最初、成瀬に成り切って 次は小津に成り切って 内:小津シリーズ続くんですか 詠:いや、だってもう皆さんのもんだもん 成瀬だって銀座化粧と秋立ちぬに特化して 成瀬全般じゃ全くない 平:それで、成り切ってどうでしたか 詠:ェエ?!どういう質問? あんまり直接的な対比って、 平:どっちの方が自分にフィット… 詠:別に小津と成瀬しか世の中に監督いないわけじゃないから それだけを取り上げて二つの対比どうのってあんまり 詠:築地川に関する物がまだ 内:彼岸花、麦秋もあるし 石:平川くんの家のあのあたりも 平:石川台、久ヶ原 詠:吉永小百合の「若い東京の屋根の下」にたまたま出てきたから この辺かなとflvのメールを送った 長屋紳士録は短いので論文が みんなに見てもらいたいんだけどね 平:川本さんは 詠:僕がこういう事する端緒になった銀幕の東京が 重版されて、10年ぶりに 帯を書かしていただきました 川本さんは手広くやられていますから 僕は築地川に特化して 平:いろいろ評論家の方は逆に一本丸々やるのは 詠:出来ないでしょう時間がないし、仕事あるから 僕は何にもないから お前がやれと言われたともんだと 平:このモチベーションは何なんだ、考えちゃう 坊やがどっかで居なくなるって映画 歩き回りますからね 詠:失踪させると風景を動かしやすい 動きを入れたい時は失踪させるという脚本家の手がある 世の中にはいっぱい 内:茅ヶ崎のシーンが多い どうしてもあそこを 詠:茅ヶ崎館でシナリオ書いてたから 蓼科に行くのはもうちょっと後だと思います 宗方姉妹あたりまではまだ 僕は小津研究家じゃないからいろいろな所から石が 海岸のシーンは語られて、あっちの研究は多いですよ ほとんど解明されてるからやらなかった 長屋と言いながら下町の風景は誰も解析してないんですよ 平:多くの人がセットだと 詠:まあ、セット、 内:あれはセットだと思うね 詠:セット説、、 内:明かりが変ですもんね 詠:セッ、ト、、、 内:自然光とは 詠:、、、どこの? 部屋の中はセットです、中はもちろん、大船です 最後の小沢栄太郎が子供連れて帰る、あれもセットです ああいう夜間の、灯りついてるでしょ 当時ジェネレーターなんか持って歩けないんだって つぎ夜が明けるシーンだから明け方だって思ったけど これが不思議だね人間 あれ日暮れギリギリなんだって、日照の関係で 暮れるギリギリを狙ったと川又昂さんが仰ってました、ええ つぎ朝のシーンを入れるから、明け方なんだと後で思うんでしょ ポンと出されたときは夕方か明け方か普通わかんない 川又氏のTwitterに掲載されています。 https://twitter.com/urashima_/status/1301077215665250305?s=21 石:誤認の検証ですか 詠:僕ゴーゴーナイアガラってアルバムの時 歌詞カードを付けなかったんですよ 聞き取り大会をやって ラジオを聴いてふと思うって歌ってるんです ラジオを聴いて布団を上げてっいうのが来たんです もうひとり来たんです ラジオを聴いて布団を敷いて… 石:それは狙ってた 詠:もちろん狙ってませんよ 石:いやいや、いろんな解釈があるっていうのを 詠:それは大昔からやってます 指切りでは 君は鋭い爪で蜜柑を ツメデミカンって温州みかんのような名称があると 思っていました、って葉書がお針子さんから その手の空耳は山のようにあります 石:ママワウロウロフラフラ 内:ママはふらふらってママじゃないの? サザエさんみたいなものを僕は 石:だから言葉切りなんですよ、それを狙ってそこまで 詠:狙っちゃいませんよ 内:この間のLadiesの歌うロンバケで あれで初めて歌詞が分かった 石:人が歌うと大瀧さんの曲がこういう歌詞だったのかけっこう分かる 内:なに歌ってるのか全然わかんないのが30年間 石:あつさのせい 俺はそこから入ってる あの曲がなかったら入ってなかったかもしれない 内:本当に暑かった時に作った? 詠:違うんだよ、何百年言ってるか、ネタね 憶えてます、イントロ パッと歌ってみてください ど頭だけ歌ってください 石:アッ 詠:アッ、でつぎ出て来るもんありません?このジェネレーション 石:アッ ![]() 平:、と驚くタメ五郎? 詠:あっと驚くタメ五郎 全:そうなんですか! 詠:アッ、と止まったら瞬間的に「と驚くタメ五郎」と出るか 出て来た人は大したもんだと アッつさでのぼせ上がった、でガクッと落としてる それ小津っぽいね、ちょっとね それでガクッと膝を折ってもらうとコントとしては大成功 「ア」に執着してた時代があって 風街ろまんの抱きしめたいは曲もコード進行も出来ていて アで始めてくれって頼んだのね 淡い光が吹きこむ窓を と彼はちゃんとあから始めてくれた 三ツ矢サイダーの時も伊藤アキラさんにアで始めて あなたがジンと来る時は 内:へー 詠:アに拘ってた時代があって それの極限はあっと驚くため五郎 アの次に「ん」があればあうんの呼吸で んはずーっと後にあるんだろう、きっと 「ナヌ?」がたぶん「ん」の意味なんだ 阿吽なんだよね、だからああいうふうに広まったんじゃないか と思った アッて言ったらみんなびっくりするだろう 単純にそれだけ あとは出まかせ、ママがうろうろしようが 知ったこっちゃない、どうでもいいの 平:そのへんの意図を気づいた人がいるんですか 詠:うーん、、毎回説明してるところをみると 分からなかったんだね 失敗だったんだよ 誰か言ってくれないと 「そなアホな」が返ってこないと 法務大臣2つ憶えてりゃいいんですよ、に そなアホなが1つ入ってればワンクッション あればよかったんだけど ![]() そなアホなが切られてるとね 内:横に誰かいて、パーン 詠:トラマメー 平:谷啓が必要だったんだ 詠:それですよ せいぜい創作側はそんなもんですよ 高邁な思想のもとに曲作り 私に限りそんなものはない 基本的にふざけてるんですから ジョンレノンのインタヴューとか ビートたけしさんとか資質が あれほどの才能はないけど似てると思う ふざけるっていう心が あつさのせいにしてもこういうの考えたんですけど いかがでしょうかって言ってるだけ こんなん出ましたって これはなんとかでなんとかだんだろうって 言われても そう言われりゃそうかもしれない 派手に細かく言われてもね 石:周りがいろいろ推測していろんな説を出すのが面白いんですよ 平:こんなんありますけどがすごいたくさんあるじゃないですか 映画研究も 詠:そうですね 以前に誰か言った物を、どっかにあるような物を 成瀬はこうである、とか言ってもしょうがない とっくに山のように出てるんだもん だからぜんぶ調べたんだよ 成瀬本を、そこに無いのよ、知りたかったんだよ 誰かがやってさえくれれば あーなるほどねで終わった話 知りたいと思って調べるでしょ ところが解答が得られない 探すわけですよ。なに探しても出て来ない なんで銀座化粧だけ誰も語ってないんだろう あれだけ成瀬、成瀬って言ってる人が ここだけ素通りして すごくわかりやすい築地橋とかはみんな触れてるけど という疑問からなんですよ 誰かいないのか、ずーっと探したんだけど 誰もいなかった しょうがないからさ 平:そこにある種のミッションを感じて 詠:うん、ひまだからというのがデカイんだろうけど 内:なんで築地なんだろうな 小津も築地が好き すごく変でしょ、本願寺の建物 タージマハールみたいな 内:あれだけがポコッと焼け野原に残ってるのって すごい異様な風景 何度も何度も入れますよね 詠:浅草にあったんでしょ 大火事で焼けて移転してきた 再建するために埋め立てたって言ってた 佃島の人と檀家の人が それで築、地なのよ ブラタモリでやってたでしょ 平:本願寺って変だよね、狛犬が龍みたいな 邪教っぽい 内:すごい不思議に見える 東京の下町って感じじゃなくて非現実的な空間が急に 詠:小津さんは南方から帰ってきて 1年半ぐらい撮ってない、戦後第一作 めんどり(風の中の牝鶏)は後 戦地にいたわけだから 焼け跡を撮ったのは おそらく第一作で あえてあれを選んだというのは 何かあるんじゃないですか 内:最後のシーンは戦災孤児たちがタバコ吸ってる この先こいつら一体どうなってしまうのか あれ本物ですよね、演技じゃない凶悪な人相 西郷隆盛のお尻で終わる 詠:ひねくれ具合は成瀬にもよく似てる 歌舞伎座の裏撮るとかさ ああいう当たり前の事やらない ![]() ![]() 内:あれ戦争映画ですよね、ある種の 詠:と、思いますけど テーマは先生に任せます 内:飯田蝶子が旦那戦死して 河村黎吉の娘がレイバンのサングラスして 記号的にチャッチャッチャッと 本願寺もなんかすごく、、、 詠:自分の葬式がそこで行われる 築地病院で死んだ、今の癌研、がんセンター 内:築地にこだわりが 詠:築地にいたんだよね…親しい女性が… 内:とにかくすぐみんな築地でしょ 精進落としの、おじさん連中が集まって いかにも横に川があって、川面が煌めいて あれ築地でしょ 詠:清洲橋のシルエットの映るシーン? あれは中洲の三田って料亭を見立てて いろいろあるから早春にも 彼岸花も廊下の所にチャラチャラと水が反射してるような ライティング あれは照明屋さんはみんな好き 洲崎パラダイスの部屋のシーンはセットだから ユラユラさせてるのは苦労したと照明さんが語っていた 照明さんはおそらくああいう所で燃えるんです これはDVDの副音声で あれもロケとセットを巧みにクロスさせてるんです 石:川島雄三の箱根山って観た? あの旅館、修学旅行で行ってるよね ちょうど加山雄三が来てた 小学校6年か 平:洲崎パラダイス最後のシーンでナベサダ じゃねーや、阿部定だ 詠:ベサダまで合ってる、四分の3あってりゃ 今回は映画のタイトル、監督の名前が頻出しますね。 これだけまとめて映画中心に語られた回はないと思うので、わたしが レヴューしたことのある物については、そちらへリンクを貼ってみます。 とくに「秋刀魚の味」2〜3には大瀧さんも登場するので、ぜひ ご覧ください。 ただし、あちらも我流の感想文ですので作品のテーマや粗筋を解説 した物ではないので悪しからず。 平:今日は池部良の話をしようと 内:僕は関川夏央さんと2人がホストでお客さん呼んで3人で鼎談する企画 第1回が橋本治さんで、2回目に池部良さんをと… 一回やっただけで廃刊になっちゃった 詠: 1回目を池部良にしないと、橋本治もっと長生きするんだから 池部さんの話は面白いよ、うん 会った事はないけど 内:ラジオ深夜便か何か 詠:いや、本はずいぶん読んだのと何かのインタヴューを いつも言うけどやっぱり戦争くぐってる人は違う 内:あの人オーストラリア軍の捕虜になって 立教の英文出て隊の中で唯一英語喋れる 2年ぐらい色んなことがあったと思うんだけど なった後のことは書いてない 敗戦の日までのことは書いてあるけど 職業軍人に対するが憎しみ強い いざ敗戦で口を閉ざして 詠:すぐに復帰しなかったんだよね 病気したのもあるけど ちょっとそういう厭世的なものもあったみたいで 内:だけどそのあと青い山脈でやってる役が、16歳ぐらいの 詠:旧制高校は今の大学生なんだけど 内: 10代ですよ 詠: 18、9 あの時はまだ28、9 内: 31なんですって とにかく戦争から帰ってきて 陸軍中尉で敗戦で帰ってきた人が 18歳の役をやっているわけでしょ その時の、どんな内面の屈託があってあの役を演じたのか 何にも考えてないみたいな人かなと思ってたんですけど 詠:ゼンッゼン違う 内:全然違う 乾いた花や昭和残侠伝は年齢相応の屈託のある演技で あっちはハマってるんだけど 詠:それに関しては僕は答えがある 後で言うから 青い山脈に至るまでが結構ある。研究した 内:やっぱりねえ 詠:あれのプロデューサー藤本真澄っていう のちの東宝の大プロデューサーなんだけど 藤本真澄の最初の大ヒットなのさ 藤本プロの名目上2作目 藤本真澄研究をやった 前から藤本真澄と城戸四郎というのがずっとテーマで 松竹vs東宝 音楽で言うとコロムビアとビクターっていう感じ は前からよく言ってたと思うけど 藤本真澄さんの研究は青い山脈を通してやったのよ この前出来上がって 小津研究ふうに あれも版権の問題が多くて誰にも見せられないんだけど それはどうしても池部良研究にもなるわけよ でも話は面白いから 前座で違う話しといたほうがいいんじゃないの 平:いやいや無いんですよ、前座で、露払いが 詠:後で言えなくなるからさ、違う話題が 俺が歩くとペンペン草も生えないと言われる 俺が喋っちゃうと全部終わりだっていう説があるから 石:東宝と松竹の話をすごい知りたいんです 古川緑波がそうなんですよ 有楽町を挟んでこっち側、東銀座が松竹で こっち丸の内が東宝 小林一三のそこに古川緑波が来るわけです 内:小林一三、阪急と東宝って ああそうか、東京宝塚だ 詠:みんなそれ知らないの 東宝、東宝って言うけど東宝イコール有楽町 宝塚は関西、これが同じ企業の同じオーナー 言われないとみんな気がつかなくて 東宝のフルネームを言えっていうところから 僕が小林一三物語を、15年前ぐらいから 90年代半ばからネタだったんだ 何回やったかな 正式名称は株式会社東京宝塚劇場 渋沢栄一がやった田園都市構想を関西に持ってく時 終着点に宝塚を建てて 買い物は阪急デパートで 感激は宝塚劇場で は買い物は三越へは帝劇へ、 宝塚が有名になって東京でやる時に劇場がないじゃない 最初の頃は新橋演舞場を借りたりしてた 小林一三は東電の経営者か何かで有楽町のあの辺 電気ビルヂングとか山のように持ってて 端の所に東京宝塚劇場を作って、横に東宝本社を置いて 日劇が経営難で東宝の資本を入れて 帝劇もダメになった時、資本を入れて 徐々に帝国を有楽町の側に築いた 本来は有楽町なんてのは人が来なかったわけよ 日本橋から京橋、銀座にかけての方が繁華街で 丸の内には人が来ない 日本ポップス伝でやったでしょ だから丸の内の商店街の若旦那が集まって 丸の内音頭を作って盆踊りで客を呼ぼう 西条八十に、中山晋平に頼んで だから、ハァ〜ですよ 内:それが東京音頭なんですか 詠:丸の内音頭ですよ 内:聴いたことないな… 詠:日本ポップス伝でかけてるじゃないですか 内:モーシワケアリマセン 詠:どこを聴いてるんですか 市丸さんか小唄勝太郎か ハアー花の丸のう〜う〜ち、丸くなってえお〜ど〜れ、ヨイヨイ 平:曲は同じなんですか 詠:メロディーは同じ なんだけど流行らなかったんだよ それで作り替えた それで東京音頭になったんだけれども 男女のデュエット それは別に閑話休題どうでもいい話で 丸の内が流行ってなかったという話 だから、もっと言うならばなんだよ またこの話? 詠:歌舞伎が守田座とか中村座とか浅草にあった物が 日本橋にやって来て 日本橋がだんだんオフィス街になってきたから 遊興的な物はっていうんで追い出されるわけじゃないけども 築地橋の横の所に守田座が出来て 新富町に来たという事で新富座となって 50年近く歌舞伎座のメインなわけ そこの隣に松竹本社を建てた そこが歌舞伎のメッカなのよ 築地橋から新富町のあたりが遊興街が 遊興の中心だった、明治から大正にかけて 歌舞伎座は別の人たちが建てたらしいんだけど そこに松竹の資本が乗り込んだ だから東劇は作るは新橋演舞場は作るは、で 松竹資本が万年橋、采女橋あたりの所にグッと出来て だから丸の内には人がいない それでそこに目をつけた 宝塚が人気が出てきたんで東京支社を作ろうと 東京宝塚劇場を作って 株式会社東京宝塚劇場じゃ長いから 縮めて つづめて、だよね江戸弁で言うなら、東宝 阪急デパートが横にあるわけよ 不思議と思わないわけよ 不思議と思えば不思議なわけよ 阪急ブレーブスは西宮球場なんだから なのにね、それが東京の真ん中 いや、真ん中じゃないわけよ 前は外れだった さらに言うなら 東京駅ができる前の丸の内は 泥沼で二束三文で誰も住んでなかった それを岩崎弥太郎だよ あのTVで汚かった 岩崎弥太郎が買って三菱ヶ原 長崎でグラバーと取引して坂本龍馬が間に入って 次にイギリスとの取引でデカくなる 今回の龍馬伝の一番のメインは グラバーの横にもう一人イギリス人がいて 「戦争が起きるのがビジネスチャンスだ」と言った時 岩崎弥太郎が「そうかあ、戦争は儲かるんか」 って言ったのが今回の龍馬伝の白眉じゃなかったかと 僕は見たのだけども ![]() そーだあ、コロナで儲けるんや 争乱で儲けようとする者は、争乱に巻き込まれる危険がない階級でしょうか。 前半で飯田蝶子の台詞を引用したのは、戦後の騒乱で市民の心が荒んで いる様が、現在の自己責任論や同調圧力が、富める者から持たざる者、 マイノリティへの一斉射撃を連想してしまいます。 それで三菱ヶ原を作って 三菱1号館から馬場崎門までを一丁倫敦と呼んだ 英国の街をそのまま作った それはグラバーからの流れなんですよ そういうような事があって 丸の内とか有楽町のあの辺が繁華街が逆転する 平凡パンチと週刊プレイボーイのように 後発の方が逆転するっていうのは iPhoneがソニーを抜いて大逆転 平:それは日本ポップス伝のからみで調べられたんですか 詠:そうですね 野球も好きだからね ヤクルト阪急戦がなぜ後楽園でやられたのか という裏を知った時なんだよ 平:何ですか、え? 上田の猛抗議、大杉の幻のホームラン ![]() あの時は早慶戦の決勝が延びて 神宮が使えなくて、どこでやろうかと言った時 日本シリーズ後楽園でやったんだよ なぜかって言うと 阪急資本が入ってるから 内:後楽園に 詠:だから今のドームにも東宝ってデカく書いてある ドームをゴジラが突き破るとかも 権利的には撮れるはずだと言ってた人もいる ゴジラが、松井がさ ホームラン打って、上でゴジラがキャッチするとかさ 内:だから松井はゴジラってニックネーム、OKなんですか 詠: OKなんだ、東宝だからさ だと思うよ さすがにそこは知らない 80%出まかせ そう思ったら ああいうデッキ型の球場は西宮の方が先 後楽園球場を作る時に建築のノウハウを聞いたんだって それで東宝資本が端から入ってたらしい 巨人軍の歴史を調べたらそうなった これは一万分の一ぐらい それが今に関係してる 関係してない事はないわけだ、世の中は これだけを知ろうという事で それだけを調べるって事はしないんです べつになんの役に立つか分からないけど ただ網羅的に、その時に 知りたいと思ったら どこかに行き着く所まで行く だけのことです で、なに聞いたんだっけ 小林一三の話は 内:城戸四郎と… 藤本真澄の話だった 詠:池部良じゃないか 池部良って言ってたからさ 話の流れによっては語ろうかなと思ってた 内:大瀧さんが来たらその話を聞こうと思って 詠:そういう事なのか 詠:えーっと、だから 30過ぎの男性が18,9の高校生を演じるって 誰が考えてもおかしいわけ。ありえない話 ね? 原作は誰か 内:石坂洋次郎 詠:ね? どこで発表されたのか 新聞小説、朝日新聞 戦後初の連載小説。だから待ちに待たれてた すでにベストセラー確実 連載が始まった途端に 全社応募した、映画化を ね? 朝日新聞の有名な担当者、井沢さんがコンペにかける 今にして思えばそれを宣伝に利用したんだね スタッフとキャストを述べよ、と言ってきた 松竹と東宝と、東映はまだ無いから、あとは大映ぐらいか 松竹は木下惠介を持ってきた 前年に大曽根家(の朝)でキネ旬獲ってる 飛ぶ鳥を落とす勢いで、木下惠介で間違い無いだろう というのが大方の見方 東宝は今井正を出してきた 今井は戦後1,2本しか獲ってないし 戦前からビッグネームでもないし なぜ今井正だったのか という疑問があったわけね それをずーっとやってったら藤本真澄研究になっちゃった 最初の疑問は なぜ青い山脈が今井正だったのか、だったのよ 平:木下惠介じゃなくてー 詠:いやいやいや 東宝にはだって豊田四郎も成瀬巳喜男もいて 豊田四郎は若い人をやってるし 成瀬は石中先生行状記で石坂洋次郎の作品はやってる 豊田四郎か成瀬巳喜男だったら遜色ないわけ しかも木下惠介なんて先輩後輩でいけば後輩で 豊田四郎や成瀬巳喜男の方が大御所 獲れたはずなのに 藤本真澄すら「今井じゃ勝てんだろ、と当時は思っていた」と発言してる それから新聞連載から映画化まで2年半かそれ以上かかってる その間に東宝争議が第1次から第5次まである 第3次は一番デカいやつ、来なかったのは軍艦だけ 争議があって延び延びのびのびになって行ったという歴史がある その間に、主演で池部良に話が行った 僕は三十過ぎてるんだ、高校生の役なんか出来るわけないじゃない と断っていた、というかもし来ても受けないつもりだった でも藤本真澄が 「お前が石坂洋次郎の家に行けば東宝が権利もらえる」 と言って池部良を連れて行く ところで池部良の家は石坂洋次郎の家と目と鼻の先なんです 今で言う田園調布なんだけれども 石坂洋次郎が秋田から出て来て最初に住んだ家っつったかな その前に池部良に学生の役やってるのがある で、石坂洋次郎が、見た時にあんたじゃないと 三十の人が高校生をやるのはおかしいと思ってたけど 「あんたに決めようかと思った」と言うわけ それの原因がね、横に奥さんがいた 秋田弁でね、青森弁なのかな 「めらしっこいわらスだったケレドモ」なんとか (笑) 秋田弁で言ったとおりに文字で書いてあるのよ、池部良の本に 池部良のお父さん、 池部鈞って画伯は有名だった だから池部良、すごい絵うまいよ 池部鈞の息子だっていう事は知れ渡っていて 小学校に行く姿を奥さんが見てたってわけよ 毎日可愛い子供が通学して行く、あの子は誰かと言うと あすこの池部先生の息子さんなんだ っていう事を脳裏に強く刻まれていた 「青い山脈のあれは池部さんしかいない」 奥さんが直訴してるわけよ おそらく、ほら 子供の頃から見てる子供って そんなに大きくなったように見えない 親の感覚っていうのは 平:それは池部良が本に書いてるんですか 詠:書いてある 読んでからインタヴューしなさいよ まいいけどね、人間派だから パッと会ってなんでも決める 下調べはしないっていうね 僕は会うつもりはないから全部調べたんだけどね たしかに会うとなったら僕も調べないで会う 内:いやいや会うとなったら調べますよ 詠:ちょっと前の映画は 豊田四郎(四つの恋の物語)、なのよ 大学生姿の池部良と久我美子がセーラー服 久我美子がなかなか良いよ ![]() 四つの恋の物語は黒澤明DVDマガジンの1巻として購入可能です。 詠:たいてい人的な関係で決まっている事が多い、実は 翻って私的な例だけど 僕が仕事してるのは知らない人としてないから ぜんぶ知ってる人だから 出版社とか編集者とか、知ってる人がいたから ずっとそこから出ていたいう事が 映画界にもあるんですよ 奥さんが池部良しかいない、と言った そこでウンと言えば獲れるから 藤本真澄が「ウンと言え」 木下惠介から今井正が獲れたら大金星なんです 獲れるってだけで 今井正じたいはその時もう左翼運動に入ってるから こんなチョロいもんはどうなのか 出来てみると、ああ普通に娯楽作品を撮れる人だと 戦前の物をちゃんと見てみると 今井さんはなるほどこうなったのか 以前はこうなったのか、分かるんですね それはそれでまたちょっと閑話休題だけど 池部良に関してはそんな話 詠:青い山脈をついでに研究したのよ 青い山脈って何度もリメイクされてる 僕はそっちの方で行った、池部良よりも 青い山脈とは何だったのか 平:何だったんですか 内:何だったんですか 詠:よく分かんないんだけど ようするに戦後だったんじゃないか 戦後の象徴として 前回、国破れて山河あり、の時 東北が選ばれるという話 何度もリメイクされていて 池部良と杉葉子が 誰になって行くか 原節子は代々どう受け継がれたか 最初のリメイクが東宝で4、5年ぐらいあとかな 我々の世代に日活がリメイクしたの 杉葉子が雪村いづみ、吉永小百合 池部良、宝田明と来て浜田光夫 原節子、司葉子、芦川いずみと来てる ここまではなかなか良い流れなんだよ こっからまた延々行くんだよジャンジャカジャンジャカ TVでも何度もやって映画もあって どっかで三浦かずよしが 内:三浦友和 詠:あ三浦友和、チェッ 今はんぶん合ってるよ、カズが合ってるから 字は四分の3合ってるよ この時はね、目のクリクリっとした女の子、、、誰? 外:片平なぎさ 先生がりょうこ、中野良子 なんと最後のリメイクがね、 87年か88年、ようするに昭和の終わった年 内:うん 詠:不思議な事に 内:うん 詠:戦後が終わった 内:うん!それは誰 詠:これがね男が野々村真なんだよもう 内:野々村真?! 詠:原節子が聞いて驚くよ 柏原芳恵なんだ うんんんーーー 詠:すごいでしょ 女だれ? 外:工藤夕貴 詠:原節子が柏原芳恵になったってのを見て これで昭和も終わったなあ 平:池部良が野々村真 詠:それは植物系の未来を言い当ててるような気がする 池部良で始まり野々村真で終わり 原節子で始まり柏原芳恵で終わった 非常に象徴的な気がした 内:そのあと二度と無い 平:その研究書があるんですね 詠:青い山脈研究が藤本真澄研究なんだけどね 千葉泰樹を研究してたらそっち行っちゃった 平:あの、、そろそろ時間なんです けど、、いや、すごい ![]() ![]() ![]() ![]() わたしの世代ではデビュー時をよく記憶している工藤夕貴 お父さん、井沢八郎は青森出身だそうです。 「あゝ上野駅」も戦後のアイコンの一つでしょうか。 詠:ネタ、池部良と築地川しかないじゃない なんか録っておいた方がいいんじゃないの 平:これみんなから聞くな聞くなって言われてたんだけど 大瀧さんには、、、 紅白歌合戦 詠:あそれね それがド頭だと思ってた こっから30分はやろうよ ここから築地川に行くつもりだった だって、来たら聞かなきゃって書いてあるから 聞くもんだと思ってたんだ 武士に二言があっちゃ 内:大瀧さん怒るんじゃないかなあって 詠:なあに… replies どうぞ。 詠:それよりも、 どういうふうにしてみなさんが知る事になったのか 聞きたいんだよ 最初ツイッターに 詠:タイムラインだったら誰が先、この3人 平:僕ですよ 石:なんで分かるんだ 詠:君、だってぜんぶのタイムラインをずっと管理してるの 内:僕はアメリカの大和田くんから回って来た 平:あそう、、 詠:その人はなんで知った? 内:ナイアガラーです。慶応の英文学の 石:俺はねmixiの人が 平:あ、そう、、、 俺いちばん最後かもしれない 石:そうだよ、なんで 内:何で堂々と俺が一番て 俺かなり早かったからさ (笑) 詠:どっから入ったかが重要なのよ 小津の景色を見た時に、ここはどこだろうと 現地がどこだを当てる事には興味はない どこだろうと考えてる過程に興味がある よりも なぜここを選んだんだろう、に興味がある なぜここを選んだんだろうかを解析する それがどこであってもいいのよ、もう だから、この話は 各々の人たちがどこからニュースソースを入れたか という事から始まらないと意味がない 皆さん、ことの真偽なのよ 出るのか出ないのか それは、この場所はどこかって話でしょ それさえ分かればいい 僕はどこでもいいの で、どこだろうと考える過程に興味があり なおかつ、なにゆえ彼はこの場所を提示したのだろうか という方に興味がある どこがソースなのか、から始めないと話は始まらない 内田さんの場合は人がいる mixiという媒体を信用している石川君がいる 平:僕はTwitterを見てリンクが貼ってあったんです ニュースページ 石:zakzakでしょ 詠: zakzakです、当たり タイムラインをぜんぶ整理すると zakzakが2番目なんです、3番目にYahooにも出たんです 内: 1番目は 詠: 1番目があるんです とあるページがある、個人の で、30分これから話が始まる 平:チョット待ってください、その前に 詠:トイレ? (爆笑) 内:人が、さあ話すって時に、平川は本当に腰を折る 詠:布谷さんもこのタイミングで来るんだよ 僕は何十年とああいう人と一緒だから 「いやーハンバーグ美味いんだよね」 ポンと出て来るんだよね 「環七の」 平:ということで 詠:何でしたっけ 話は芸能記者という所に立ち戻る 戦後の芸能記者は数多くいたけど 加藤康一、スキャンダルの昭和史 昔の映画スターとか歌手の事件、ゴシップは 本当に時代とリンクしている、ものすごく 次の世代で梨元、須藤、前田、宇津木 その辺が発信元になるわけど 全員が足で稼いているわけじゃない さらに名前の出てない記者たちも いろんな人を使って情報を集めてる 記事が売れた時代は で、年末の一番の大ネタが紅白ネタ 紅白じたいが人気がなくなっても 紅白ネタっていうのは常にあるわけ いろんな人たちがいたのよ 紅白ネタが得意な人たち 今年に限らず毎年ある それがあるって前提を頭に置かなきゃいけない 今回の話もその一環なわけさ 2のzakzakの記事はその孫引き 1番目の人は去年の矢沢のサプライズを公開した人 NHKはサプライズだから端から出せるわけない あえてどっかの地点を設けてリークした 情報とどう相対するかっていう話 出るか出ないかなんてどうでもいい話 そういうふうな視点で行くと 景色を当てられる つまりあすこがどこかなんて考えてるから 景色は当たらない この景色は何の意味か これを提出した、この景色をあえて映したこいつは 何の意図があってこれを映したのか っていう事まで行かないと 誰もわからない景色は当たらない 内:ここで大瀧さんの名前が出たのはどのような 欲望のかたちなんでしょうね 詠:書く事がなかったんだろうね 内:随分まことしやかに 石:佐野さんの 詠:そうそう、おっしゃる通り 端緒は佐野君の30周年 で、オリジンの原稿になった人は、それがメインで 一番ケツほうにチラッと zakzakはそっちがメインに書かれていて Yahooはその見出しだけみたいな事 末端はこの場所はどこかというすごく狭義なテーマとなって 延々と広まった 内:最初の原稿の最後の所に 30周年だからナイアガラトライアングル再結成 平: zakzakは、でも大瀧さん次第だけどって 詠:結局、「トライアングルはあるのか」と聞いたら NHKは「大瀧は無理だろう」という書き方があるでしょう 読ます人にどこに注目させるか 基本的に紅白ネタなんです それがわりあい近い大瀧とかいう名前が出て来たので 常に他の情報には冷静であるような人も メディアに対する冷徹なliteracy力が発揮されずに うっかりと尻馬に乗ってしまうという事例を 面白かったのは70年代から知ってる人と 80年代以降の人と大きく差が出た 80年代の人は生まれた時からベストテンがあって オリコン何位とか 生まれ落ちた時すでにあった人は、あるという前提でしか 物を考えられない、それが如実に出たね 能地がいちばん面白かったね 「大滝詠一のみラジオの紅白歌合戦には出場!」 さすがだよ 火のない所に煙を立てていかなければ 特に芸能ごとは 火のない所に煙おこすわけだから それを現実の政治とかにやられちゃうと困るけどね 芸能の手法みたいな物が国際政治に入ってはや何年という感じがしてる 昨今だよね 平:この話がこういう展開になるとは 詠:メディアのliteracyから景色をどうやって当てて行くか という話で小津に行くんだと思ってた 内:ぐるっと回ってそっちの方が面白かったなあ 石:逆だったね と、 いう構成が、大瀧さんの想定した1stヴァージョン。 “振り出しに戻る” お得意のスタイルをわたしが踏襲しました。 さらにオマケで布谷さんの「環七のハンバーグ」が飛び出した ゴーゴーナイアガラの部分も、布谷文夫の名誉のため? 巻末に収録します。 内:長屋紳士録で小津安二郎はいったい何を言いたかったのかな 詠:それはもう内田さんの分野だよ 内:大瀧さんもちょっと書いてるけど やっぱりテーマは戦争なんですかね 詠:帰国して戦後の第一作で ましてやあえて焼け跡を選んで けっきょく秋刀魚の味の軍艦マーチにしても ずっとテーマだったんじゃないですか 描き方が変わっていっただけで テーマ性になると先達は多いから 内田さんのはすごく個性的ですよ 秋刀魚の味を一番って言う人は他にいないもの 新境地なんじゃないの、今までの小津論では 内:麦秋の最後に 菅井一郎が買物に行くところで踏切の所で座り込む 「警告がなりません」 Out of order っていう看板が 菅井一郎の顔の横に 使用済み=現役引退 詠:おお、すごいね 自分で持ってってるんですよ 良いワンフレームに収まる場所に立て看板があるとは限らない ![]() 平:毎回おどろかされるね 詠:独演会になると思った 喋りすぎて失礼いたしました 徐々に僕の喋る比率がだんだん増えていって 平:しかしペンペン草も生えないって分かるね 詠:セントルイスのルイスがなんか言おうとすると セントがお前は黙ってろってあのネタが 内:真剣に勉強しよう、これから 一般公開してない、ラジオで聞くしかない手がない これ映画観ながら聞いてほしいね 詠:見たいって人がいたらPDFにしてジャンジャン添付して 誰にでもあげてください 個人的な配布は違法じゃないから、秘密裏に 秘密結社ですから 昔のナイアガラのコピーサービスの 平:長屋紳士録は全集の1と2に入ってない 内:え? 詠:ん? ボックスに入ってますよ 内:入ってるよー全4巻だよ 平:あ、そう、1と2しか俺、、 内:平川さー 全:(爆笑) 詠:いいね 内:素晴らしいオチだったねー ほんとだよ、全4巻だよ オマケ 1976.2.17 ゴーゴーナイアガラ ナイアガラトライアングルvol.1特集より 44:05〜 詠:イントロ(ココナツホリデイの)、何あれ、解説しない 銀:あれは何にも打ち合わせしてない 詠:アミサオーレって何? 銀:サオーレサオーレっていうのはね メキシコの言葉で「さあ行こうか」みたいな 詠:あ、そうなの 銀:アミーゴっていうのは「こんにちは」とかみたいな軽い感じなんだけど 布谷さんが何を勘違いしたか絶叫して 布:環七のさ、 アミーゴって美味いハンバーグやってんのがあるんだよね 達:カハハハハ 銀:いいのかな 布:そこの店の人がね 達:クククク(抱腹絶倒) 詠:どしたの? 布:いい? 詠:ちょっと言ってよ 銀:そこまで言って気になるよ 布:よくアミーゴって店に食べに行くんだよね 詠:代田にいた時? 布:野地くんとさ、夜いつも腹減ると食べたの 詠:アミーゴってあったの 布:アミーゴってあんの 詠:へー 布:すごい美味しい店なの 詠:何で(半笑)関係があるの 布:ハンバーグがこんな大きいの 俺でも残すんだもん、400円 全:爆笑(腸捻転) 布:そこでいつもレコードがアミーゴ!ってかかってんの 全:ウォーーー(絶叫) 詠:そこに来るわけだ 布:マクドナルドでもレコード(宣伝の音楽)かかってるでしょ アミーゴのテーマ曲、その最後に アミーゴ!アミーゴ! 詠:思い出したわけね 布:俺はそんなにおかしくはなかったんだけど 銀:なるほどね 詠:銀:達:聞いてみたから分かったよ! 布:ハンバーグが、、 詠:ハンバーグがどうしたの 布:美味しいんだよ 達:助けてくれー(悶絶) 詠:あー゛(呼吸困難) ウララカ−インマイルーム ![]() |